スマホをカーナビ代わりにするのは、違反? 見る・触るのはどこまでがセーフ? 事故時には罰金30万円の可能性も

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スマホをナビ代わりに使う場合の注意点とは?

 クルマの運転中に携帯電話で通話をしたり、画像を注視したりすることが禁止されているのは知っている人も多いでしょう。
 
 では、スマートフォンをナビ代わりとして使う場合、どのような使い方なら交通違反にならないのでしょうか。

スマホを固定した状態で「注視」は、何をもって判断されるのでしょうか。

 最近はスマートフォンが普及し、SNSアプリや動画の視聴、ゲームなど多くの人の生活に欠かせないツールとなっています。

【画像】え? これも違反なの? 実はしてるかも…意外な違反行為を写真で見る!(12枚)

 地図アプリを利用すれば初めて行く場所でも迷わず行けるほか、地図情報が定期的に更新されるためクルマを運転する際に活用している人もいるでしょう。

 クルマの運転中に携帯電話を使用すると交通違反として検挙される可能性がありますが、スマートフォンをナビ代わりに利用する場合、どのような使い方をすれば良いのでしょうか。

 そもそも、携帯電話の使用に関しては道路交通法第71条第5号の5の条文において、次のように規定されています。

「自動車又は原動機付自転車を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置を通話のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。(条文を一部抜粋)」

 また、この違反の罰則を定めた道路交通法第118条第1項第2号では、罰則の対象として「自動車若しくは原動機付自転車に持ち込まれた画像表示用装置を手で保持してこれに表示された画像を注視した者(条文を一部抜粋)」とも規定されています。

 つまり、クルマの運転中に携帯電話を手に持って通話や画像を注視する行為のほか、車内に設置されたカーナビスマートフォンの画像を注視すると交通違反に該当します。

 この違反によって交通事故など交通の危険を生じさせた場合、1年以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が科せられるほか、違反点数6点が加算され、一発で免許停止となってしまいます。

 また交通の危険を生じさせなくても、違反行為をすれば違反点数3点、普通車で1万8000円と比較的高額な反則金が科されるため、運転中の携帯電話などの操作には注意が必要です。

 クルマの運転中にスマートフォンをナビ代わりとして利用する場合、交通違反で検挙されない・交通事故を起こさないためには「手に持って操作しない」、「画像を注視しない」ということがポイントになるでしょう。

画面の注視に時間的制限はある? ネットでは「2秒」と言わるが真相は?

 携帯電話を手に持つこと自体は禁止されていないものの、片手運転になれば安全運転義務違反という別の交通違反に抵触したり、ハンドル操作を誤って事故につながるおそれもあるため、スマートフォンを視界の妨げにならない場所に設置することが大切です。

 また画像の注視に関して、注視とは国語辞典で「注意深くじっと見ること」とされているほか、インターネット上では「2秒以上見続けること」と明言しているものもありますが、法令上では注視が具体的に何秒なのかは明記されていません。

「注視=2秒」という意見が見られるのは、2002年に国家公安委員会がカーナビ事業者などを対象にした告示の中で、注視について「おおむね2秒を超えて画面を見続けることをいう。」と示したこと。

自動車が2秒間に進む距離(画像引用:警察庁)

 また警察庁が「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」と題したホームページの中で、運転者が危険と感じる秒数を「2秒以上」と掲載していることなどが要因と考えられます。

 ただし、画像を見ている時間が「2秒未満」なら交通違反にならない、事故の危険性がないというわけではありません。

 佐賀県警が公表している「速度別停止距離一覧表」においては、時速60kmであればクルマは1秒間に16.67m、時速100kmであれば27.78m進むと試算されています。

 速度が上がれば上がるほど進む距離は伸びるため、一概に「何秒間の注視なら安全」とはいえず、警察官から「画像を注視していた」と判断されれば秒数にかかわらず取り締まりを受ける可能性があるのです。

 スマートフォンをナビ代わりとして利用する際には安全のため、画面を見続けないことはもちろん、音声案内をメインに使うなどの工夫をすることが必要といえるでしょう。

※ ※ ※

 スマートフォンの地図アプリは多くの人が利用しているとても便利なシステムです。

 クルマの運転中に地図アプリを使う際には、交通事故防止のため手に持たないこと、画面を注視しないことなどを意識しましょう。