この記事をまとめると

■エンジンの空ぶかしが道路交通法違反になるのかを考察した

■道路交通法第71条第5号の3を根拠に取り締まりの対象となると考えられる

■違反した場合は5万円以下の罰金、違反点数2点が課せられることになる

無闇に公道でエンジンを空ぶかしするのはおすすめできない

 思えばクルマというのはずいぶん静かになった。EVやハイブリッド車も増えたし、ガソリン車やディーゼルだってひと昔前よりずっと静かだ。タイヤノイズも小さいし、アスファルトも凸凹が少なく、ガタピシいいながら走るクルマも見かけない。

 たまに「いい音がするな」と思うと、大排気量のバイクだったりして、クルマ好きとしては寂しいことも……。

 それだけに、ときにちょっとアクセルを空ぶかししてレーシーなサウンドを確認したいときだってある。

 しかしちょっと待って欲しい。正当な理由がなくエンジンを空吹かしするのは、道路交通法違反で、取り締まりの対象になるからだ(純正マフラーや保安基準適合マフラーでも事情は同じ)。その根拠となるのは、道路交通法第71条第5号の3

「正当な理由がないのに、著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる騒音を生じさせるような方法で、自動車若しくは原動機付自転車を急に発進させ、若しくはその速度を急激に増加させ、又は自動車若しくは原動機付自転車の原動機の動力を車輪に伝達させないで原動機の回転数を増加させないこと」

 これに反すると、「騒音運転の禁止違反」となり、5万円以下の罰金、違反点数2点が課せられることになる。

エンジンの空ぶかしにデメリットはあってもメリットはない

 ちなみにレーシングカーは、ガレージやサーキットのピットの中でリズミカルなレーシング(空ぶかし、ブリッピング)を行なっているが、あれは走行前の暖機のため。

 レース用のエンジンは、高回転高負荷での使用を前提としているので、アイドリングが苦手で、低回転でまわし続けるとプラグが被りやすくなるし、油温・油圧も上がらず、安定したアイドリングをキープしづらいという事情によるもの。

 点火時期や燃調をコンピュータで管理している今日の市販車なら、エンジンを止める前に空ぶかししてプラグの状態をよくして(かぶり気味ではない状態)、次の再始動に備えるという必要もない。

 また、エンジン始動直後の空ぶかしは、オイルがエンジン各部に行き渡っていないために、エンジンにダメージを与える可能性もあるので、デメリットはあってもメリットはないというのが本当のところ。

 上記の道交法に抵触しない「正当な理由がある空ぶかし」は、主にMT車のシフトダウン時のブリッピングぐらいしか思い浮かばない……。

 したがって、公道での空ぶかしは、基本的にNGだということを覚えておこう。