クマができやすい人の特徴を医師が解説 目の大きさや肌色・骨格・体質・年齢でも差がある?

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ちょっと生活習慣が乱れただけですぐ目の下にクマができてしまう人と、そうでない人がいるのはなぜでしょうか? そこで「目の下のクマができやすい人の特徴」について、美容外科医の池田 幹則先生(MIKIクリニック豊中駅前)にMedical DOC編集部が話を聞きました。

そもそもなぜ目の下にクマはできる? クマには茶・青・黒の種類があるって本当?

編集部

クマにも種類があるというのは本当ですか?

池田先生

そうですね。「目の下のクマ」と言っても種類があり、一般的に、黒クマ・青クマ・茶クマの3種類に分けられます。これはクマの色によって分けられているというよりも、それぞれの原因によって分類されています。

編集部

それぞれの原因について教えてください。

池田先生

まず黒クマですが、これは影クマとも呼ばれ、眼球の下にある「眼窩脂肪」が前の方に出てくることで、その下に影ができて目元が暗くなってしまった状態です。また、「眼窩脂肪」が膨らんでいなくても、眼球の部分と、目の下・頬の部分との高低差があると影ができて黒クマとなります。

編集部

では「青クマ」の原因は?

池田先生

「青クマ」は、皮膚から静脈が透けて見えることでできる青色のクマです。目の下の皮膚は非常に薄いので、その部分だけ青みが目立ってしまうのです。

編集部

残る「茶クマ」の原因は?

池田先生

「茶クマ」は目の下の皮膚の、色素沈着やシミによって茶色く見えます。色素沈着は目を擦るクセがある方にも多くみられます。

クマができやすい人・できにくい人の差は? 肌色・骨格や目の大きさでクマが目立ちやすい人・目立ちにくい人もいる?

編集部

クマができやすい人・できにくい人のような特徴はありますか?

池田先生

あります。例えば先ほどの「黒クマ」は、目の下の頬の高さが低い方にできやすいですね。なぜなら眼窩脂肪が少し出てくるだけでも、目の下が暗くなるためです。また、35歳以上になると、眼窩脂肪の突出が目立ってくるため、黒クマが出来やすくなります。

編集部

「青クマ」はどうですか?

池田先生

「青クマ」の有無は、シンプルに「目の下に静脈があるか、無いか」というところが大きいと思います。目の下の、皮膚表面に近いところに静脈があると青クマになってしまいます。

編集部

「茶クマ」についてはどうですか?

池田先生

茶クマが後天的にできやすいのは、生活習慣として、目の周りの皮膚への摩擦が強い人です。アトピー性皮膚炎や花粉症などで目を擦ることが多い人や、女性であれば、スキンケアやアイメイクなどの際に、強く擦りすぎる人も要注意ですね。

編集部

では、「できてしまったクマが目立ちやすい人」というのは?

池田先生

黒クマの場合、顔の骨格的に彫りが浅い人は、少しの凹凸でも目立ってしまいますね。欧米にはクマで悩む方が少ないのはそのためです。あとは、色白の方、血行が悪く、顔色が良くないと言われがちな方、目の下の皮膚が薄い方などは「青クマ」「茶クマ」ともに目立ちやすいですね。

クマができやすい女性・男性におすすめの対策を医師が解説スキンケアや漢方なども効果あり?

編集部

クマを目立たせたくない人はどうしたら良いですか?

池田先生

クマの種類を見極め、原因を取り除くことです。自分のクマがどれに当たるかわからない、という人は、一度専門医にみてもらっても良いかもしれません。

編集部

医療機関ではどんなことをするのですか?

池田先生

「黒クマ」に対してはクリニックによってアプローチに違いもありますが、当クリニックでは手術で目の下にある「眼窩脂肪」を取り除くことで治療をしています。「青クマ」に対しては、レーザーや注射により皮膚や皮下組織の厚みを増加させ、血管の青みが透けないようにしたり、漢方で血行を改善したりします。「茶グマ」の色素沈着については、外用薬や内服薬(トレチノインやハイドロキノン)での改善が期待できます。

編集部

ケアとして自分でできることはありますか?

池田先生

個人のケアで、クマを消すのはなかなか難しいと思います。しかし、クマを目立ちにくくするために血流改善を意識したり、先ほども述べたように、スキンケアやアイメイクの際に、目の周りの皮膚を擦りすぎないようにしたりといった心がけは、普段の生活の中で意識してみると良いでしょう。

編集部

最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあれば。

池田先生

目の下のクマは、美容意識が特に高い方だけでなく、むしろそこまでではない方のほうが悩まれています。鏡を見るたびにクマが気になってしまうほどであれば、クマについての正しい知識を持っていただき、そのうえで有効なホームケアやクリニックでの治療を選択していただければと思います。自己流のケアではクマを悪化させてしまうこともありますのでご注意ください。そもそも自分のクマの状態や種類がわからないことも多いかと思いますので、その場合は専門医にご相談されると良いと思います。

編集部まとめ

「クマが出来やすい人」や「出来たクマが目立ちやすい人」について、お話を伺いました。「クマ」といってもいくつか種類があり、原因や対策方法が異なるのですね。まずは自分でできることから、そして、根本解決についてはやはり医療機関に行くのがベスト、とわかりました。池田先生、ありがとうございました。

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