博報堂は2月27日、同社の「ミライの事業室」が推進する「Earth hacks」の新サービスとして、地方自治体向けに脱炭素化ソリューション「Earth hacks for Local」の提供を開始したことを発表した。

その第1弾として、愛媛県と協力し、社会実装に向けた検証を実施する。

愛媛県のプロジェクト「TRY ANGLE EHIME」で算出した 今治タオル事業者5社の商品のデカボスコア

「Earth hacks」は、脱炭素に向けた活動を身近に感じてもらえるよう、自分の生活にも取り入れたいと思えるライフスタイルやエシカルな商品の情報を提供したり、生活者の声をもとに脱炭素関連商品・サービスや事業の開発を目指す共創型のプラットフォーム。

2021年7月より商品やサービスの環境価値における新しい選択基準として、「二酸化炭素相当量(CO2e)の削減率」を示したマーク「デカボスコア」の提供し、商品販促やPR、商品開発、製造工程の見直しなどに活用されている。

これまでは主に民間の企業・団体向けに提供を進めてきたが、脱炭素社会の実現には行政との連携・活動が重要であり、内閣府が選定する「SDGs未来都市」も150を超えて今後も増加していく見通しであることから、民間向けに提供していたメソッドを応用し、「Earth hacks for Local」として、3つのソリューションを開発した。

脱炭素に繋がる地域の名産品やサービスのCO2eの削減率を試算し、「デカボスコア」を付与することで環境価値を見える化

地域創成に繋がる新しい環境価値のある商品開発や、Z世代らを交えた生活者共創型の脱炭素化コンサルティング

Earthhacksのメディア/ECや都市エリアを活用した販売支援、事業者向けの脱炭素勉強会などPR活動を含めたマーケティング支援

今回はその第1弾として2022年度よりデジタル実装加速化プロジェクト「TRY ANGLE EHIME」に取り組んでいる愛媛県と協力し、社会実装に向けた検証を実施している。Earth hacksは中国四国博報堂と協働で同プロジェクトを受託し、同県内事業者の販売促進・拡大に向けて、今治タオル事業者5社の商品にデカボスコア付与、愛媛県産品の首都圏でのオフラインイベントやECでの販売支援を開始している。

また2022年12月には、脱炭素社会の実現に向けて企業と学生が共創するビジネスコンテストプログラム「Earth hacksデカボチャレンジ2022」に、唯一の自治体として愛媛県庁が参加した。「思わず買ってみたい!と思える愛媛の新しいサステナブルな県産品の提案」という課題に対して、県産品を贈る際の緩衝材として今治タオルを活用するというアイデアを提案したチームが、イベント全体での奨励賞を受賞ている。このアイデアは2月中の実装検証開始を目指し、愛媛県内のタオル事業者との検討を進めているということだ。

今後Earth hacksは、愛媛県との実装検証の成果を踏まえ、2023年度から同ソリューションを本格的に行政・地方自治体へ展開していく構えだ。

Earth hacksデカボチャレンジ2022 奨励賞受賞愛媛県庁チーム