古いクルマに乗ると損!? 13年超の次は18年超でさらに「重課」! 理不尽なクルマの税金の現状

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古いクルマは自動車税・重量税が重課される!

 クルマは登録初年度から13年が経過すると「自動車税」が重課(通常の課税額に割り増しされること)されるのを知っている人も多いかもしれませんが、18年を経過するとさらに重課されるという事実はあまり一般的ではないかもしれません。
 
 一体どういうことなのでしょうか。

13年超の古いクルマは自動車税が重課される

 クルマを所有する上で義務となっている税金について、そして重課に関して確認します。

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 支払いが義務化されている税金は2種類。5月のゴールデンウィークあたりに納付書が送られてくる自動車税(軽自動車税)と、新車購入時や車検ごとに納める「自動車重量税」が存在します。

 自動車税の歴史は非常に古く、昭和25年(1950年)7月31日に施行された「地方税法(都道府県税)」のひとつ。当時は「クルマを持てるほどの経済力がある」という贅沢税として課税が始まりました。

 それが時代を経て現在では、クルマが走る道路の拡張・補修だけでなく、福祉や教育、公共物の整備、警察や消防、救急などにも使われています。

 一方で自動車重量税は、車検証に記載された「車両重量」や「区分」によって、通常は0.5tごとに税額が増加する税金です。原則として新車登録時か車検ごとに納めるもので、車検費用に含まれているのが一般的です。

 自動車税(環境性能割)と自動車重量税には、地球温暖化対策と地球環境の保護を建前に「環境に配慮していない設計の古いクルマにはどんどん税金を重くする」という、古いクルマを大切に乗っている人にとっては理不尽な「重課」するシステムがあります。

 ガソリン車は新車登録時から13年、ディーゼル車は11年経過すると、約15%(軽自動車は約20%も)さらに課税するというもの。

 たとえば一般的な1.5リッターから2.0リッターのガソリンエンジン車の自動車税は年額3万9500円(2023年現在)ですが、13年以上経過したクルマの自動車税は、約15%上乗せられた年額4万5400円に。毎年5000円前後の税金を余分に支払う必要があります。なお、電気自動車や燃料電池車、天然ガス自動車、ガソリンを燃料とするハイブリッド車は重課の対象外です。

 自動車重量税においては、新規登録から13年経過すると約39%の重課、さらに乗り続けられて18年経過したクルマには、約53%もの重課がのしかかってくるのです。

 そこでひとつ疑問が。税金の重課の対象となる、年式が古い中古車を購入する人はいるのでしょうか。

 神奈川県で国産・輸入車を問わず扱う中古車販売店のスタッフW氏は、「思ったより重課は懸念材料にならないのではないか」といいます。

「古めの中古車の購入を検討している人は、税金が重課されることを苦にしていない人が多い印象を受けます。それよりも年式による劣化具合や、メンテナンスに重点が置くことを念頭に置いているようです」

 重課率としては決して低くはないものの、その差額はだいたい1万円前後。排気量が大きくなれば、それ以上の差額になります。

 一方で販売店側も重課は考慮しており、13年以上経過したクルマは、一部の熱狂的な人気車種を除き、安いプライスボードが掲げられているといいます。

「国産・輸入を問わず、中古車業界でも大排気量エンジンを敬遠する動きがないとはいえません。それでも、『このカタチのこのクルマが欲しい』というお客さまも多く、重課された税金も『古いクルマを所有するうえでの維持費の一環』と捉えているようです。

 ただ、13年を迎える車両を手放す人が多いのも事実です。というのも、古い年式はパーツのストックがなくなるからです。

 パーツがないので修理ができなくなり、それならば税金が上がる前に手放そうと考える人が多いのではないでしょうか」(中古車店スタッフ W氏)

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 最近のクルマは排ガスの触媒などの進化もあってクリーン化が進み、さらに低燃費車やハイブリッド車は少量の燃料で走行でき、バッテリーEVに至っては排出ガスゼロです。

 環境に配慮したクルマに乗り換えてほしいという意図も理解できますが、古いクルマを大切に乗り続ける人にとっては肩身の狭い世の中になってしまったといえそうです。