全国旅行支援や年末年始の帰省で、久しぶりに飛行機に乗ったという方も多いのでは? 快適な空の旅を提供してくれる裏側には、多くの方の技術力と想いがつまっています。

気分も舞いあがる!JALの工場見学ツアー

そこで今回はESSE onlineのアミューズメント担当・編集Yが、予約が取れにくいと話題の「JAL SKY MUSEUM(工場見学プラグラム)」を取材。楽しさと歴史を感じるミュージアムと迫力満点の格納庫を間近で見学してきました!

【写真】現役CAが案内してくれます

●見学はネットで申し込み!しかし人気で予約は難しい…

「JAL SKY MUSEUM」は、インターネットの予約サイトで1か月前の同日AM9:30 から予約受付を開始します。見学希望日(年・月)や人数、車いすのお手伝いの有無など記入し、空き状況を確認。もし空きがあれば、必要事項を入力すれば申し込み受付が完了。

見学は、1日に3回(休館日である水・金曜日を除く)・各回30名程度で行っているため、意外と予約できるのでは…? と思いきや、毎回人気すぎて予約が取れないと話題。即日予約が埋まってしまうこともあるのだとか…! 恐るべし。

ただ、キャンセルなどで空き枠がでる場合もあるので、こまめにサイトをチェックするのがよさそうです。そして運よく予約できたら、その日を心待ちにしていざ見学へ。

●工場見学へは「新整備場」駅から徒歩

「JAL SKY MUSEUM」は、東京モノレール「新整備場」駅にあります。ちなみに似たような名前で、「整備場」という駅もありますが、こちらは以前使われていたものなので、降り間違いにご注意を!

東京モノレールで羽田空港に向かうたびに、「新整備場」駅へ降りる人をなかなか見かけず、「果たしてこの駅は使われているの…?」なんて疑問に思っていた編集・Yですが、工場見学にはこの駅で降車。2分程度歩くと、「JAL SKY MUSEUM」が入っている、JALメインテナンスセンター1(通称JAL M1ビル)が見えてきます。

JALの工場見学は大きく分けて、「ミュージアム(60分)」と「格納庫(50分)」の2部構成。何度来ても違う光景が見えるとリピーターも多く、小さいお子さんとの親子で来る方も多いそうですが、なかには、お父さん・お母さん世代と、おじいちゃん・おばあちゃん世代の親子で来る方も多いのだとか。

<見どころ1>道具やトリビアもあって、気分は飛行機博士に!?

早速「ミュージアム」からご紹介。ここでは、JALが空旅の安全・安心をいったいどのようにつくりあげているかなど、史料や模型、道具を通じて学べます。今回案内をしてくれたのは、現役の客室乗務員(CA)の西牟田さんです!

実際に現場で働いている方のお話を聞けるのはとても貴重でテンションも上がります!

●空旅にはいろんな人が関わっていることを再実感

入って右手に掲示されているのは「お仕事マップ」という、空の旅を支えている職員の仕事場や役割などが書かれているもの。このマップを見ると、飛行機の中はもちろんですが、多くの方のおかげで、私たちの快適な空の旅ができているのだと改めて実感します。

そのまま進むと、両脇に職種ごとの展示や説明と実際にJALで働かれている職員の方のサイネージがあります。スタッフの皆さんが迎えてくれてる気分に浸れ、気持ちもワクワクします!

「お仕事紹介ブース」では、職種ごとに分けられた6つのエリアが存在。それぞれを象徴する仕事道具の実物展示や、仕事内容を紹介するディスプレーなどが設置されています。「航空整備士」のところでは、飛行機のかなめとなる「エンジン」や「タイヤ」などが展示。

また、「グランドハンドリング」では、“マーシャリング”と呼ばれる、飛行機の誘導合図も紹介されています。空港や飛行機などで見たことがあるという方も多いと思いますが、イラストで詳しい動作が描かれていると、発見もあっておもしろいですよね!

ちなみに各お仕事紹介エリアにはQRリーダーが設置され、見学の最初で渡されるパスをかざすと、その職業にまつわるちょっとしたトリビアを知ることができます。トリビアは全部で7種類! デジタルスタンプラリーにもなっているため、かざすのをお忘れなく。

●フライトシミュレーターで気分はまるでパイロット!

すでにお仕事紹介エリアの見学だけでも多くの時間を使ってしまいそうですが、まっすぐ進んでいくと、ひときわ存在感のある模型が現れます。

じつは、こちらは実際にJTA(日本トランスオーシャン航空)で、B737のフライトシミュレーターとして活躍したコックピットなんです! 操縦することはできませんが、座席に座れてハンドルを握ることができるので、気分はまるでパイロット。視線の先に、滑走路が広がっているのも最高の推しポイントです。

このほかにもビジネスクラスシート「JALスカイスイート」やプレミアムエコノミー「JALスカイプレミアム」が展示され、こちらは実際に座ることが可能。プレミアムな座席はとにかく快適で、改めてビジネスシートへの憧れが強くなること間違いなし!

また、地面に34Lといった「数字+アルファベット」が書かれているのですが、これは実際に、羽田空港にある滑走路を書いたもの。「スリーフォー・レフト」と読むそうなので、空港で見かけた際にはぜひプロっぽく使ってみるのもおすすめです!

<見どころ2>歴代の制服や機体の展示にテンションも上がる!

つづいては「航空史ではなく、航空文化史を伝える」をコンセプトにした、JALと日本の空の歴史にふれるアーカイブズゾーンです。こちらでは、年代別のデジタル年表や、客室乗務員の歴代制服、さらに貴重な現物史料や、モデルプレーンなども展示されています。

●色味も形もバラバラ!時代を感じる「制服」

実物のJALの歴代制服を展示しているエリアはこの通り、圧巻の並び! 当時の流行や時代の変化が象徴されている制服は、本当に色も形も本当にさまざま。推し制服を見つけたり、自分だったらこれを着るかな? と想像するのも楽しいですよね。

また、右端のひざ上丈のミニスカートワンピースと幅広の赤ベルトが特長の制服は、1970〜1977年まで着用された森 英恵さんのデザイン。初めてスカーフが導入され、グレーのタイツに赤いポイントがついたシューズもかわいいです。

ちなみに現在は「11代目」の制服で、 “ハイブリッドビューティー”をコンセプトに令和2年4月より着用し、初のパンツスタイルを導入。

パンツスタイルかワンピーススタイルを選択できるため、フライト時間や季節などによって選んでる方も多いのだとか。さらに男性用の制服もあり、こちらは赤白のラインが入ったネクタイがおしゃれ。

●並べてみると違いは一目瞭然!新しい機体は高スペックでハイセンス

「モデルプレーン展示」では、歴代航空機12機のモデルプレーン(飛行のミニチュア模型)を、スペックとともに紹介。展示されている機体はすべて同一の縮尺モデルを展示しているので、航空機のサイズの変遷も楽しめます。

こちらがJALの最新鋭の航空機「エアバスA350‐900」。JALでは今までボーイング社の機体を多く採用してきましたが、この機体からエアバス社のものを新規フラッグシップへ! ぱっと見たときの機体の区別がしやすいので、そのポイントを2つほどご紹介。

まずわかりやすいのが、ウィングレットと呼ばれる「翼」部分です。少し上向きになっていて、赤のグラデーションがとてもおしゃれ!

2つ目は“WINDSHIELD”というコックピットの窓部分。横に長いので、少しタヌキ顔に見えてどこか愛らしさを感じる顔つきに…! これなら空港上空を飛んでいる際に、機体の見分けがつきやすそうですよね。

●60分じゃたりない…!見どころ満載のミュージアム

今までは、過去や現在のものをご紹介してきましたが、こちらの「フューチャーゾーン」は未来に向けたJALのプロジェクトを紹介するコーナーで、「環境」や「テクノロジー」「食」「宇宙」「教育」「働き方」「サービス」の各分野における将来に向けた取り組みがわかります。

このほかにも、「皇室フライト・特別フライト」という展示もあるのですが、こちらは残念ながら撮影NG。天皇陛下がご利用される「皇室フライト」や、有事の際に貢献した救援チャーターフライトなど、JALがこれまでに運航してきた特別フライトの数々を紹介しているので、ぜひ直接見てほしいエリアです!

<見どころ3>迫力満点で終始ドキドキが止まらない!

ミュージアムでの見学が終わったら、いよいよ「格納庫」の見学に向かいます。

●飛行機に合う前にしっかり予習できる時間も存在!

このプログラムでは、格納庫に行く前に、しっかりと飛行機の“予習”ができる「航空教室」というものが組み込まれています。

「なぜ飛行機が飛べるのか?」といった初歩的な飛行機の仕組みや、JAL機それぞれの特徴、格納庫について丁寧に説明してくれるので、事前の予備知識が0でも問題なし! 楽しく学べ、格納庫の見学を100倍楽しむことができますよ。

そして期待を胸に…いよいよ格納庫へと。どことなく尾翼に描かれているJALのシンボルマークの「鶴丸」が光り輝いて見えます。

今回見学した「M2格納庫」では最大6機格納可能で、撮影当日はなんと運がいいことにMAX6機が格納されている状態! 機体数は日によって違い、何回訪れても違う光景が見れるのも人気の理由なのだとか。

ちなみに見学中も終始飛行機が離陸・着陸を行っているので、臨場感あふれるフライトを特等席で見ることができます! 「航空授業」を受けたこともあり、だんだんと飛行機が見なれてくると、不思議なことになんとなく「あの機体は○○機だな…」とわかるようになってきますよ。

また、大きな機体を間近で見れることもそうですが、実際に整備しているところを見ることができるのもうれしいポイント!

空港では見ることのできない、取り外された機内のパーツを近くで見ることができる貴重な機会は、一瞬も目が離せません。

普段から大きいと感じている飛行機ですが、間近でみるとその大きさにびっくり。その機体の美しさは、ずっと見てても飽きずに時間がたつのを忘れるほど。ぜひ直接この感動を味わってほしいです!

<見どころ4>企画展示やお土産も忘れずに!

ミュージアムと格納庫の見学だけでも大満足ですが、ほかにも見どころが盛りだくさん。

●ここだけでしか楽しめないものがた〜くさん!

現在「JAL SKY MUSEUM」では、脚本・演出家や画家として活躍中の大宮エリーさんとコラボした、未来の空について考える「たびするきもち」を3月まで実施中です。

この個展のために描き下ろした100枚のすてきなイラストがミュージアムのいたるところに飾られています。唯一無二の空の絵は、想像力をかき立てるものばかりなので、一緒に行った人と「なんの雲だろう?」と、話しのネタとしても◎。

さらにJALの機内で提供している商品やここでしか買えない工場限定グッズも多数存在。訪れた際は、こちらのチェックもお忘れなく。

●工場見学は終始ワクワクドキドキ!

楽しかった工場見学もここまで。私たちが快適で安全な空の旅ができているのも、こうした空の仕事に携わる方のおかげなんだなと改めて実感! 終始ワクワクしっぱなしの工場見学はとても貴重な経験で、これからの飛行機旅行がより楽しみになりました。

なかなか予約が取れない「JAL SKY MUSEUM」ですが、平日は休日に比べて予約が少し取りやすいそうなので、行きたい方はこちらが狙い目。ぜひ予定を調整して、家族や友人とお出かけしてみるのはいかがでしょうか?

工場見学を終えて大満足の編集Y。しかし、気になるのは働く人がなぜ大変な「空の仕事」を選んだのかということ。そこで次回の記事では、実際に運航乗務員(パイロット)さんと、航空整備士さんにお話を伺いました! こちらもぜひお見逃しなく。