「EDの治療費用」はご存知ですか?医師が監修!

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EDは男性特有の病気であり、悩んでいる方は多いです。自分も万が一になった場合の不安を抱える方は多いのではないでしょうか。

そして、不安な理由のひとつが治療費用の問題です。治療にいくらかかるのか、保険が適用されるのかなど疑問を持たれる方も少なくありません。

そこで本記事では、EDの治療費用について詳しく解説します。相場や保険適用されるケース・ED治療の代表的な薬もご紹介するので参考にしてください。

EDの治療費用の相場は?


治療費用の相場としては、おおよそ500円~6,000円程度となります。ここまで金額の幅があるのは、自由診療の場合を考慮しているためです。自由診療とは、医療機関が自由に価格を決められるということです。そのため、非常に安価に診察してくれる医療機関もある一方で、少々高めの診察料金に設定している場合もあります。しかし、決して違法な金額というわけではありません。
治療を行う上で検査を重ね、適切な薬を選ぶために必要な料金です。さらに、薬以外で特別な治療が必要な場合は、その治療・施術費用がかかる場合もあります。この費用は、施術内容によって異なるため注意が必要です。治療は一度で終わりではありません。長く続ける必要があるため、費用の面ではしっかりと把握した上で医療機関を選ぶことが大切です。

EDの治療費用の内訳


治療費用の相場をご紹介しましたが、どの項目にいくらの金額がかかるものなのかを、しっかり把握することが大切です。内訳を知ることができれば、どの病院で治療を受けるかを選ぶ参考にもなるでしょう。ここでは、治療費用の内訳についてご紹介します。

初診・再診料

治療費用の中には、初診・再診料という項目があります。これは、医療機関で診察を行ってもらうと必ずかかる費用です。ED治療の場合、一部の例外を覗いて自由診療となります。そして、自由診療の場合、先述したように医療機関で自由に値段設定ができてしまいます。初診料のみ発生する場合もあれば、診察料を一律で支払う場合もあるでしょう。
また、医療機関によっては、薬代や施術費用が発生した方は診察料が発生しない場合もあります。このように、料金設定は医療機関ごとで大きく異なるため、一概にいくらかかるとはいえませんが、おおよその相場は2,000円~3,000円程度となります。

薬代

初診・再診料以外で発生する項目が薬代です。代表的な薬は、バイアグラ・レビトラ・シアリスなどが挙げられます。これらの薬は先発品となるため、ジェネリック医薬品と比較すると高額となります。また、薬代に関しても、値段設定は各医療機関が自由に設定可能です。そのため、医療機関によっては多少薬代の差が出るでしょう。
しかし、薬代の値段設定に関しても、決して法外な料金とはなりません。多少差がある程度であり、病院によっては薬代に診察費用を含むシステムを採用している場合もあるため、安心して治療を進められるでしょう。具体的な薬代としては、先発品のバイアグラ・レビトラ・シアリスの場合、1錠あたり1,000円~2,000円程度です。同薬のジェネリック医薬品の場合は、1錠あたり270円~1,200円程度です。

保険適用されるケース


治療費用の相場と内訳についてご紹介し、どの項目にどれだけの費用が発生するのかを把握できました。しかし、いずれも保険が適用されない自由診療の場合の費用です。実は、ED治療は保険が適用されるケースがあるのです。保険が適用される場合、他の病気と同様に治療費用の負担が軽減されます。そこで、ここでは保険適用されるケースについて、条件などをご紹介します。

不妊治療に限られる

保険適用されるケースとして、まずひとつ目の条件が、不妊治療に限られるというものです。2022年4月、厚生労働省から治療薬であるバイアグラ・バイアグラODフィルム・シアリスを公的医療保険の対象と定められました。しかし、保険適用とする条件は医療目的に限った場合です。そのため、あいまいな目的では保険適用はされません。
保険適用となれば他の一般的な薬同様に、70歳までの成人男性であれば、3割の医療費負担で処方が受けられるようになります。あくまでも、少子化対策を目的とした前提によって決められたことなので、誰もが保険適用となるわけではないということには注意が必要です。

医師から診断が必要

他にも保険適用に必要な条件があります。それは、医師からの診断が必要という点です。男性は、医師からEDによる男性不妊であることの診断を受けていなければなりません。日本泌尿器科学会が作成した診療ガイドラインに従ってEDと判断された患者でなければ、保険適用外となります。さらに、処方される男性あるいはそのパートナーのどちらかが、不妊治療を受けている確認が取れない場合も対象外です。
このように、保険適用されるには、しっかりと医師からの診断が必要となります。この診断がなければ、治療薬の必要性が曖昧となってしまうのです。高く設定された条件のように感じられますが、明確な目的の上で安全に利用が求められる薬であるため、必要な基準なのです。これらの条件に当てはまらない場合は、従来通りの自由診療となります。

ED治療の代表的な薬と費用の目安


ED治療薬の代表的な薬は、次のとおりです。

バイアグラ

シアリス

レビトラ

ステンドラ

バイアグラは、世界で初めて製品化された治療薬です。日本においても、最も早く厚生労働省からの承認を取得した薬であり、多くの方から長く使用され続けています。そのため、有効性・安全性の高い薬です。勃起の強さは強く、持続時間は3時間~5時間程度もちます。また、効果を得られる時間は30分~1時間程度と早い点も特徴です。一方で、副作用が出やすい点や、食事の影響を受けやすい点も挙げられます。バイアグラの1錠あたりの価格は、先発品が1,300円~1,600円程度、ジェネリック医薬品が270円~700円程度です。シアリスは、効果時間が30時間~36時間と非常に長く、副作用が少ない点が特徴の薬です。勃起の強さはマイルドであり、強すぎる勃起で感覚が少ないといった心配はありません。効果を得られる時間は1時間~3時間程度です。副作用は出にくく、食事の影響を受けにくい点も特徴となります。シアリスの1錠あたりの価格は、先発品が1,500円~1,600円程度、ジェネリック医薬品が700円~1.200円程度です。
レビトラは、バイアグラの次に誕生した薬で、即効性の高さ・副作用の少なさが特徴となります。勃起の強さは薬の中で最も強く、5時間~8時間の持続時間をもちます。また、効果を得られる時間は15分~30分と非常に早いです。副作用は出やすいですが、食事の影響は比較的受けにくいです。レビトラの1錠あたりの価格は、先発品が1,500円~1,800円程度、ジェネリック医薬品が900円~1,200円程度となります。
ステンドラは、即効性の高さ・食事の影響の受けにくさ・副作用の出にくさが特徴の薬です。勃起力は強く、持続時間は3時間~6時間ほどあります。効果は15分~30分程度で得られます。ステンドラの1錠あたりの価格は、先発品が1,500円~2,000円程度、ジェネリック医薬品が1,300円程度です。
ここでご紹介した薬の中で、保険適用となる薬はバイアグラとシアリスです。レビトラとステンドラは、保険適用外となるため注意しましょう。ED治療薬は、種類によって効果が異なり、価格も違います。どのような薬を選ぶかによって治療費用が異なるため、求める効果と費用面で照らし合わせて選びましょう。

EDの治療費用に関するよくあるQ&A


ED治療薬の種類や価格についてご紹介しました。治療は一度で終わりではありません。長く続けるからこそ、費用の面には納得して治療を進めたいものです。そこで、ここでは治療費用に関するよくあるQ&Aについてご紹介します。多くの方が疑問に思っている内容を参考に、治療の理解を深めましょう。

病院・クリニックによって費用が異なるのでしょうか?

病院・クリニックによって治療費用は異なります。これは、診察料・薬代が、病院やクリニックによって自由に決められているためです。ED治療は、保険適用とならない場合は自由診療となります。自由診療の場合は、病院・クリニックでの料金設定が可能なのです。しかし、医療機関側で料金設定ができるからといって、大きく差が出るようなことはありません。一般的な相場としては2,000円~3,000円程度であり、これから大きく逸脱するようなことはないでしょう。
また、診察料金は基本無料で行っている病院・クリニックも多いです。そのため、かかる病院によっては法外な費用が請求されるといった心配はありません。病院・クリニックによっては、薬代・治療費を支払う場合は診察代を含むシステムをとっている所もあります。不安な場合は、一度医療機関のホームページからおおよその料金を確認することをおすすめします。

EDのジェネリック薬はありますか?

ED治療薬のジェネリック医薬品はあります。バイアグラにはバイアグラジェネリック、シアリスにはシアリスジェネリックがあり、選ぶことが可能です。また、保険適用外となるレビトラ・ステンドラにも、それぞれレビトラジェネリック・ステンドラジェネリックがあります。
先発品と比較すると、ジェネリック医薬品は1錠あたりの費用が抑えられます。治療費用が気になる方は、ジェネリック医薬品を選択して治療を進めると、全体の費用を抑えられるでしょう。

通院期間の目安を教えてください。

通院期間は、個人差と治療を行う内容によっても異なります。治療薬を使う場合、服用後効果を得られるため、必要な薬がなくなれば再度処方してもらえるでしょう。その場合、自分の都合で再診を受けることとなるため、通院期間は自分の使用状況で大きく異なります。また、万が一薬の副作用などが現れて不安な場合には、すぐに医療機関に相談することが重要です。薬以外での治療方法を行う場合、実施する治療方法によって通院期間が異なります。
例えば、ED治療にはRENOVAと呼ばれる機材を使った衝撃波を当てる治療方法があります。この場合の通院期間は、約1ヶ月程度となるでしょう。1週間に1回の治療で、4週間の間繰り返し行っていきます。また、勃起に欠かせない陰茎海綿体に、修復再生作用のある幹細胞培養上清エキスを注入する治療方法もあります。この場合でも、約1ヶ月程度は通院期間がかかるでしょう。
また、スマホ通院が可能な医療機関もあります。このような通院が行える医療機関であれば、時間が限られる方でも、待ち時間や外出時間を気にせずに治療を進められます。通院期間が長引く心配がある方は、治療方法やスマホ通院などを確認して、医療機関を選んでも良いでしょう。

編集部まとめ


EDは、男性特有の病気であり、治療内容だけでなく費用について心配な方も多いです。保険が適用されない場合だと、全額自己負担となります。

そのため、治療をためらってしまう方もいるでしょう。しかし、条件を満たせば保険が適用されます。

また、自己負担費用が気になる方は、ジェネリック医薬品を利用する方法もあります。費用を含め、正しい情報を参考に、治療を進めましょう。

参考文献

ED診療ガイドライン第3版(日本性機能学会/泌尿器科学会)