最近増えた「ギラギラガラス」は違反にならない? 「オーロラフィルム(ゴーストフィルム)」は車検通る? 注意すべき部分とは

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「オーロラフィルム(ゴーストフィルム)」は違反にならない?車検は通るの?

 街中でフロントガラスが色鮮やかにキラキラと反射しているクルマを見かけることがあります。
 
 これらのクルマには「オーロラフィルム(ゴーストフィルム)」が貼られていることがありますが、一見すると車検不適合にも思えますが実際にはどのようになっているのでしょうか。

めちゃギラギラしている「オーロラフィルム(ゴーストフィルム)」ってどんなもの?(画像提供:猪っち @inotchi_S15)

 オーロラフィルムは、一般的な単一色のスモークフィルムとは異なり、透明なフォルムが天候や見る角度によって青や紫、黄色などの色目や濃さが変化します。

【画像】オーロラフィルムって車内から見るとどうなっている?ギラギラ過ぎる実車の様子を見てみた!(10枚)

 なお、見た目のドレスアップ効果だけでなく、直射日光による車内の温度上昇を抑制する役割も持っています。

 そんなオーロラフィルムですが、SNSではさまざまな声が見かけられます。

「オーロラフィルムを貼っているクルマが増えたけど、運転手の顔が全く見えない…」、「ドライバーが歩行者を認識しているかわかりにくい」、「進路を譲ったりするシーンで、ドライバーの顔が見えずアイコンタクトなどで意思疎通を図れない」、「窓にオーロラフィルムを貼ったクルマ直視したら目痛めた!」

 このようにオーロラフィルムによる迷惑を被っている人も少なくない様子がうかがえます。

 フィルム自体は透明なので、車内からの視界はクリアですが、外からドライバーの様子が確認しにくいことが問題視されているようです。

 実際にオーロラフィルムの貼り付けに関して、施工を手掛けたこともある自動車整備士のA氏は次のように話しています。

「どの社外品でも同じですが、車検対応品と書かれて売っているものを選ぶことが大前提です。

 この車検対応品とは、定められた透過率をクリアしているものを指しますが、新車・中古車とそのガラスの状態が異なります。

 例えば、元々薄く色味がついているようなガラスにフィルムを貼り付けた場合、測定器の数値が車検基準を下回る可能性もあります。

 そのため、必ず専門店などで透過率の確認をすることが望ましく、専門店などで施工した場合は証明書が発行されます」

※ ※ ※

 またSNSでは「オーロラフィルムを取り締まりの対象にしてほしい」といった声も見られますが、警察の見解はどのようになっているのでしょうか。

 首都圏の警察署の交通課担当者はオーロラフィルムはついて、次のように話します。

「確かに最近ではオーロラフィルムをフロントガラスに貼り付けたクルマをよく見かけます。結論からいうと、可視光線透過率が70%以上という条件を守っている場合は、道路交通法の違反対象にもならず、車検も問題なく通過します」

「オーロラフィルム」を貼ることによる問題点はないの?

 道路交通法の違反対象にもならず、車検に通ることができても、オーロラフィルムを貼ることで視認性には影響が出るようです。

 前出の自動車整備士A氏は次のように話しています。

「車検に通ることと運転に支障が出ないは異なり、オーロラフィルムを貼ることで確実に視認性には影響が出ます。

 そのため、とくに夜間の運転などでは貼り付ける前よりも見づらいということもあるのは覚えておいたほうがいいでしょう。

 また最近ではフロントガラス上部にあるカメラなどの検知機能に影響があるかもしれないことも考慮しておいたほうがいいです」

 同様に、前出の交通課担当者は、オーロラフィルムの取り付けについて、以下のように注意喚起をしています。

「オーロラフィルムをフロントガラスに貼り付けることによって、外から車内を視認することが難しくなります。

 このことから、歩行者とのアイコンタクトが取りづらくなったり、車間距離が把握しづらくなったりと、トラブルのきっかけに繋がるおそれがあります。

 そのため、極力オーロラフィルムを使用せず、クルマ用のサンシェードを取り付けるなどの対策を取っていただくのがベストなのではないかと思います」

「オーロラフィルム(ゴーストフィルム)」は外から見れば車内の様子は分かりづらくなっている

 一方で、車内から前方も見えづらくなる場合があります。とくに明るい内装色の場合は映り込みがひどくなり、前方が見えづらくなることが予想されます。

 さらに、基本的に劣化は避けられず、オーロラフィルムを貼った直後は可視光線透過率が70%以上のため違反とならず車検に通ったとしても、劣化によって徐々に可視光透過率が下がってしまう可能性もあるとされています。

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 このように、オーロラフィルムは天候や見る角度によってフロントガラスの色目や濃さを変えられ、直射日光による車内の温度上昇を抑制する役割を持ちますが、デメリットもあるためその使用についてはきちんと判断する必要がありそうです。