この記事をまとめると

■「ASK」の表示がされている中古車を見かけることがある

■日本語で表記する場合は「応談」となっているケースが多い

■中古車の価格を「ASK」とする主な理由を5つ挙げて解説する

中古車販売店で働く人に聞いた5つの理由を解説!

 中古車を検索していると、ほぼ毎回といっていいほど見掛ける「ASK」の表示。

「ASK」。日本語で表記する場合「応談」となっているケースが多いようです。バブル期には「Asking」といった表記を掲げる店舗もありましたね。

 じつはこの「ASK」のウラにはさまざまなメッセージが秘められています。

 実際に中古車販売店の現場で働く方たちからヒアリングした内容を整理すると、概ね下記の5つに絞られてくるようです。

1)つねに相場が動いているため

 相場があってないようなもの、いわゆる「時価」です。

 一例として、昨今のクラシックカーやネオクラシックカーにあてはまるクルマで、さらに限定モデルや走行距離の少ない個体、コンディションの良い個体などが挙げられます。

 クルマ好きであれば、思わず「これはすごい」と誰もがうなってしまうようなレアまたは貴重な商品車は「時価」である確率が高いでしょう。

 そのときの時価、言い値でも躊躇することなくポンと買える(全額キャッシュ)人だけが、その商品車に秘められた「ASK」の本当の意味を知ることができるのです。

2)冷やかし対策

 レアまたは貴重な商品車であればあるほど、否応なしに注目度が高まります。その結果、ごく少数の本気モードの人のなかに、大多数の「冷やかし」が含まれます。

 その結果、興味本位で問い合わせをしてくる人があとを絶たない、下手をすると通常業務に支障が出る場合もあります。店舗側も「冷やかしお断り!」と明言したり、「ご予約のうえ、ご来店された方のみ対応します」や「問い合わせはお電話のみ対応します」等々、あの手この手で「踏み絵」を用意して策を講じます。

 この「踏み絵」効果はそれなりにあるようで、一定の予防策となっていることは間違いありません。それでも完全に排除するのは難しいようで……。買うわけでもないのに商品車を撮影され、「超レア車発見!」などと勝手にYouTubeなどにアップされても困りますし。

そもそも売る気がない場合も!?

3)同業他社対策

 ASKの表示には同業他社対策も含まれます。こちらの店頭価格より微妙に安く設定されたりと、値付けの目安にされるのを防ぐ意味合いがあります。

 また、特定の車種に精通した専門店が相場を牽引することも少なくありません。無闇に相場をつり上げ、多くのユーザーにとって手の届かない存在とならないよう、あえて価格を「ASK」とすることで相場上昇を未然に防いでいるケースも確かにあります。

4)海外需要対策

 日本人の感覚では「こんなの高すぎだろ!」とツッコミたくなるような価格設定でも、海外の人からすれば「価格は気にしないからとにかく買いたい」という風に映る場合もあります。

 日本人相手なら500万円が上限だけど、外国人なら1000万円でも売れる! といった具合に、「ASK」の表記をフル活用(?)して販売をするのです。国内専用車なんて、日本車が人気のアメリカからすれば喉から手が出るほど欲しい場合もあるわけですから、お金がある人にとっては高い安いの問題ではないのです。

5)じつは商品車じゃない場合も

 意外と多いのがこちらです。事実上の非売品だけど、店舗のオーナーが認めた人にしか売る気がない、反対に貴重なクルマだから事実上のコレクションなので売りたくない。でも注目度は高まるから、カタチ上は商品車として売る。その代わり、価格設定は「ASK」にしておいて、問い合わせが来たら「現在商談中」と答える……といった具合です。

 大通り沿いのショールームにフェラーリF40が展示されているとしたら……。それだけで注目の的です。いまの時代、放っておいても、クルマ好きがめざとく見つけ、あっという間にSNSで拡散してくれます。下手をすると、あっという間にマニア向けの観光スポットとなりかねません。そんな「貴重な広告塔」があっさりと売れてしまったら、また次の候補を探さなくてはなりません。とはいえ、F40を上まわるインパクトを持つクルマなんてそうそうありませんし……。

まとめ:本当に欲しい人に買って欲しい? それとも?

 貴重なモデルであればあるほど「海外に出したくない」と、頑なに国内在住のユーザーにしか販売しないというスタンスを貫く店舗があります。そのいっぽうで、「外国人に売却した方が高く売れる」と、商売っ気たっぷりなところも。このあたりはオーナーや社長さんの考え方次第で大きく意味合いが変わります。

 このように、「ASK」にはさまざまな意味が込められています。1〜5の要素が複数に絡むこともしばしばです。いずれにしても「冷やかしはお断り」が本音です。

「ASK」という、とてつもなく高い壁を乗り越え、どんな金額を提示されても臆することなく「わかりました。これください」と言える人こそが、現代における勝ち組の構図なのかも……しれません。