取捨選択をしていかなければ、どんどん増え続けるのが洋服。とはいえ、年齢を重ねるほど、どのように捨てていけばいいのか、おっくうになり立ち止まってしまう人も多いのではないでしょうか? そこで、ブロガーで整理収納アドバイザーの原田さよさんに服を手放すコツを教えてもらいました。

50代、服の捨てどきで迷ったら…

私は現在59歳。50歳になったとき一念発起して家じゅうの片づけをはじめました。前回の記事では、なかなか減らせなかった靴の捨てどきについて書きました。今日は、もっと手を焼いた服の整理の話を書きます。服が多すぎるとわかっているけれどなかなか整理できなくて…と困っておられる方のヒントにしてもらえると嬉しいです。

●服を減らすとどんなメリットがあるか考えてみる

私はため込んでしまった300枚以上もあった服を、フォーマルやふだん着も含め40数枚にまで減らしました。数年かかってしまいましたが、この量が、管理もできてコーディネートも楽しめる私にちょうどいい量だとわかりました。今は、見に行かなくても自分が持っている服がどんなものかがわかっています。この「手持ちの服がわかっている」ということが私には快適です。
服を減らして起きたよいことは次の通り。

(1) 空間的な効果
服の出し入れがしやすい、服にシワがつきにくい湿気もたまりにくい

 

(2) 時間的な効果
欲しい服がすぐ見つかる・服を戻しやすい

 

(3) 経済的な効果
似た服を買わなくなる・衝動買いがなくなる・欲しい服を買うときも慎重になる

 

(4) 家事ラクに繋がる
クローゼット掃除も服の手入れもラク、衣替えもラク

 

(5) 自己肯定感アップ
服の整理でなぜ自己肯定感が高くなったかというと、処分する罪悪感と向き合ううちに自分を許せるようになったからです。ストレスで買ってしまったこともあったし、似たような服を買う失敗もしたけれど、好きだからこそ捨てられなかったと思いました。

最終的には、誰かと比べてモヤモヤすることもなくなり、「私は私でいい」と思えるようになりました。今は、少ない枚数をどう組み合わせようかと楽しめるまでになっています。服の整理で自己肯定感が高くなったのだと、あとから気づいたかっこうです。

●手放した服の共通点

私が手放してきた服は次のようなものです。劣化が激しいものや明らかにデザインが古いものもありましたが、それらはあまり迷いませんでした。

・重い服
・硬い服(伸縮性のない服)
・動きにくい服(やせたら着るからととっておいた服)
・着替えにくい服(後ろファスナーや、小さいクルミボタン、小さいフックなど)

リサイクル店に出したりオークションで売ったりもしましたが、後半はそれもおっくうになり、廃品回収で引き取ってもらうことが増えました。掃除に使って捨てたものもあります。

みなさんは、どんな服が捨てにくいでしょうか。服の整理は一気にできないことが多いと思うので、途中で迷ったら「保留」として別の場所でしばらく置いておき、また考えてみてほしいです。

 

●捨てるタイミング

重いとか硬いとか着替えにくいなどと処分した服のことを書きましたが、これらはすべて事実です。すごく迷うときというのは、事実だけでは測れないことがあるとき。そういう場合は、自分の心の声を聞いてみるのがおすすめです。迷っているその服を、好きかどうかというように。

たとえば、もう何年も着ていないし多分これからも着ないと予想できる、なのに捨てられないという服があるかもしれません。そういう服は、きっとみなさんが好きな服なのです。思い出がたくさんあるような。

そういう服の今後は、すぐ決めなくていいです。時間がたてばまたその「好き」という思いに変化が出てきますから、そのときまで待ってみてほしいです。そこまで好きな服はそう多くないと思うので、日付を書いて紙袋などにいれ、一か月や半年と言うように期限をきめて見直してみてください。

 

●終わりに

大切なのは、服を片づけたいと思った動機です。多すぎて困っている、似たような服を買ってしまう、年齢を重ねるにつれきっと片づけが大変になる、今のうちになんとかしておきたい、片づけて快適なクローゼットにしたい。みなさんそれぞれの思いがあるはず。その最初の気持ちを忘れなければ、挫折しかけてもまたできます。

捨ててどんどん減らすのが正解ではありません。「片づけてよかった」「身体も気持ちもラクになった」というところを目指してみてほしいです。

今年の秋はまだ始まったばかり。順を追って服を整理し、おしゃれの秋を楽しんでいただきたいです。