iPadはMacやWindows PC同様に高価なコンピュータですから、故障しないように丁寧に扱いたいところです。もちろん多くの人が落としたり、傷をつけたりしないよう注意しているとは思いますが、はたして本当にそれだけで十分でしょうか。もしかしたら本来はiPadではNGなことを、知らない間にやっているかもしれません。「iPadでやってはいけないことは何か?」と問われたら、そのすべてを即座に挙げるのはなかなか難しいはずです。

そこで今回は、基本の基本に立ち返り、iPadを安全に正しく取り扱うための重要事項の中で特に重要なものをリストアップしたいと思います。その多くはAppleが公開している「iPadユーザガイド」や製品に同梱されるマニュアルに記載されていますが、たぶん多くの人がそれをじっくりと読んだことはないはず。中には「当たり前でしょ!」と笑ってしまうものもあるかもしれませんが、一度すべてに目を通しておけばこれからiPadを使い続けるうえで必ず役立つはずです。

iPadの安全や取り扱いに関しては、Appleの「iPadユーザガイド」に詳しく記載されています

製品に同梱される紙のマニュアルにも一部記載があります。製品パッケージを再び開いて、ぜひ確認してみましょう

○(1)落としたり、燃やしたり、穴を空けたり、割ったり、濡らしたりしない

常識的に考えて燃やしたり、穴を開けたりはしないと思いますが、落としたり、割ったり、濡らしたりしないよう注意しましょう。これらによってiPadまたは内部のバッテリが損傷すると危険です。特に、iPadのバッテリが損傷したと思われる場合は使用を止めましょう。

iPadの落下や割れなどの損傷をできる限り防御するためには、持ち運び時には特にiPadをカバーでガードしたほうがいいでしょう

○(2)iPadを自分で解体・修理しない

iPadを分解するネット記事などを見かけることがありますが、iPadが故障したり調子がおかしくなったりしても自分で修理するのはやめましょう。

iPadには製品購入後1年間の製品保証がつきますが、自ら分解したものに関しては保証対象外となる場合があります

○(3)Appleまたは正規サービスプロバイダ以外のサービスを利用しない

iPadの故障などで修理が必要になった場合は、Appleまたは正規サービスプロバイダにお願いしましょう。それら以外のサービスを使うとAppleの純正部品が使用されない場合があり、デバイスの安全性と機能に影響を及ぼす可能性があります。

iPadの修理に関しては、Appleの専用ページ「iPadの修理サービス」をご覧ください

○(4)汚れや損傷の原因となる物質に触れたときはそのままにしない

汚れや損傷の原因となる物質(Appleのサポートページでは土や砂、インク、化粧品、石鹸、洗剤、酸や酸性の食品、ローションなどが挙げられています)に触れたときは、iPadをすぐに清掃するようにしましょう。

iPadの清掃方法に関しては、以前の記事「年末年始にiPadをお掃除しよう!」で詳しく取り上げていますのでそちらを参照ください

○(5)極端な温度環境で使用、または保管しない

iPadは0度〜35度で動作し、−20度〜45度で保管するよう設計されています。そのため、この温度を超える環境で操作したり、保管したりすると、iPadが壊れたり、バッテリの寿命が短くなったりすることがあります。また、急激に温度が変化する場所にiPadを置いておくのもやめましょう。

iPadの内部温度が通常の動作温度を超えると、内部のコンポーネントを保護するために自動的に温度調節を試みます。iPadの充電が注意されたり、画面が暗くなったり、アプリが終了したり、温度に関する警告が表示されたりします(図はiPhoneの画面)

特に暑い日にドライブ中または駐車中の車の中に長時間放置すると室温の上昇によって、適正温度を超える場合があるので注意しましょう

○(6)安全性が保証されていないケーブルや充電器は利用しない

iPadの充電には付属のUSBケーブルと電源アダプタ、または「Made for iPad」などのマークが付いた安全性が保証されているものを利用しましょう。インターネットで安価に販売されているものの中には安全基準を満たさないものもあり、それらを利用すると死亡または負傷の危険が生じる恐れがあります。また、損傷した電源アダプタ、USBケーブル、充電器は使用しないようしましょう。

「Made for iPad」マークが付いているアクセサリは、Appleが定める性能基準に適合しています。「Made for iPad」マークがついていないからといって危険とは限りませんが、非常に安価に売られているものには注意しましょう

○(7)湿気の多い場所で使用しない

iPadやUSBケーブル、電源アダプタの使用中または充電中は通気性のよい場所に置いておきましょう。また、電源アダプタは濡れる可能性のある場所(洗面台や浴室、シャワー室付近など)では使用せず、濡れた手で抜き差しするのもNGです。また、損傷した電源アダプタやUSBケーブルなども湿気の多い場所で利用すると火災、感電、負傷を招く可能性があります。

湿気の多い場所で使うのはNGです。また、湿気の多い場所にあった電源アダプタや、または電源アダプタ内部に液体が入った可能性がある場合は使用を停止してください

○(8)USBケーブルが電源アダプタにきちんと差し込まれていないときに充電しない

電源アダプタを電源コンセントに接続する場合は、USBケーブルが電源アダプタにしっかりと接続されているか確認してから行いましょう。また、高温による負傷や損傷の危険性を低減するために、電源アダプタは電源コンセントに直接接続するのが望ましいです。

USBケーブルがしっかりと挿さっているかを確認したうえで電源コンセントに接続します

○(9)iPadや電源アダプタに長時間接触しない

iPadや電源アダプタは、国の規制や国際安全基準で定められた表面温度に制限されていますが、高温の場合は長時間接触することは避けるようしましょう。皮膚へ悪影響を及ぼしたりする可能性があります。

iPadや電源アダプタが電源に接続されているときは、それらの上に寝たり、毛布、枕、または身体の下にそれらを置いてはいけません

さて、いかがでしたでしょうか。iPadの安全性そして取り扱いに関して9つのやってはいけないことを紹介しましたが、中には知らなかったものもあるのではないでしょうか。特に汚れたiPadをそのまま放置したり、湿気や高温の場所で使ったりするのは多くの人がやりがちなので気をつけたいところです。

また、今回紹介したもの以外にも、たとえば安全性の面からは、「よじれや破損、折れ曲がりなどの損傷があるUSBケーブルを使わない」「iPadの高周波放射が悪影影響を与える場所で利用しない」「爆発性の空気がある場所で使用しない」「iPadアクセサリを子どもの近くにおかない」などもありますので、ぜひ一度はAppleのホームページからiPadユーザガイドを開いて安全性や取り扱いに関する重要事項を確認ください。