荒波に揉まれ約18時間漂流しながらも生還した男性(画像は『The Mirror 2022年7月13日付「Brave holidaymaker survives being adrift at sea for 18 hours by clinging onto beach ball」(Image: Newsflash)』のスクリーンショット)

写真拡大

ギリシャ沿岸部ハルキディキ県の沖合で今月9日、観光客が強い波に攫われる海難事故が発生したが、約18時間後に遭難場所から約25メートル離れた場所で奇跡的に発見された。発見時、男性はその手におもちゃのボールを握っており、このボールは10日前に別の場所で遊んでいた子どもが海で失くしたものだったと後に判明した。このボールが浮き輪の代わりとなり生き延びることができたと言い、偶然が重なった男性の生還ストーリーを『The Mirror』などが伝えている。

【この記事の動画を見る】

旅行でギリシャ北部ハルキディキ県カサンドラを訪れていた北マケドニア出身のイヴァンさん(Ivan、30)は今月9日、海に入っていたところを強い波にさらわれてしまった。一緒にいた友人たちは懸命にイヴァンさんの姿を探したが見つからなかったため、海のプロフェッショナルである沿岸警備隊に通報したが、イヴァンさんを見つけることができず捜索活動は難航した。

イヴァンさんの姿が見えなくなってから18時間が経過して日付けが変わり「もうイヴァンに会えない…」と友人たちが絶望に打ちひしがれる中、捜索活動に参加していたギリシャ空軍のヘリコプターが行方不明になった場所から約25メートル離れた場所でイヴァンさんを発見した。

連絡を受けた近くの船により無事に救助されたイヴァンさんの手には、なぜか小さなおもちゃのボールが握られていた。漂流中に海面に浮いていたこのボールを見つけたイヴァンさんは、このボールにしがみ付くことにより溺れることなく漂流し続けることができたのだった。

イヴァンさんが船に救助され地上に運ばれる様子を捉えた映像には、担架に横になりながらも周囲の人としっかり握手を交わす元気なイヴァンさんの姿が映っていた。このイヴァンさんの奇跡的な生還が報道されると、漂流中にボールを見つけることができた奇妙な偶然に注目が集まった。

そしてこのニュースを見た1人の女性から「これはうちの子ども達のボールです」とイヴァンさんに連絡が届いたという。なんとこのカラフルなおもちゃのボールは10日前、約80マイル(約129キロ)離れたリムノス島エヴガティス・ビーチで遊んでいた女性の子ども達であるトリフォン君(Tryphon、11)とサノス君(Thanos、6)が失くしたものだと判明したのだ。

この兄弟がボールを失くしたことと、このボールが潮の流れに乗り遠く離れた場所で遭難していたイヴァンさんのもとに届いたことの2つの偶然が奇跡的に重なったことで、イヴァンさんは波に揉まれながらも溺れることなく生き延びることができた。ボールには半分ほどしか空気が入っていなかったそうだが海面に浮くには十分だったとイヴァンさんは明かしている。

イヴァンさんが無事に救助されたことは大変喜ばしいことだが、実はイヴァンさんの友人であるマーティン・ヨバノフスキさん(Martin Jovanovski)も同時に波にのまれてしまっていたと言い、沿岸警備隊は現在もマーティンさんの捜索活動を続けていると報道されている。

なお過去には、12時間も海で遭難していた男性がイルカの群れの中心にいるところを発見されたというおとぎ話のようなニュースも話題を呼んでいた。

画像は『The Mirror 2022年7月13日付「Brave holidaymaker survives being adrift at sea for 18 hours by clinging onto beach ball」(Image: Newsflash)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)