水・金・天・火・木・海・土…7つの惑星が一列の並んで見える現象を「惑星パレード」と言います。2022年6月18日早朝、「惑星パレード」が実現しました。そして、この天体ショーを撮影したプロジェクトチームが世界中から注目されています。京都大学OASESです。

今朝、石垣島から7惑星(+月)を全て同時に一枚の写真におさめることができました。いわゆる『惑星直列』『惑星集合』です。

(Twitter 京都大学OASES project@OASES_miyakoより引用)

京都大学OASES(Organized Autotelescopes for Serendipitous Event Survey)は、京都大学附属天文台による天体観測プロジェクト。これまでにも地球からの距離約50億km離れた太陽系の果てに、半径約1kmの小さな天体(微惑星)を史上初めて発見するなど、世界中から注目を集めています。今回の惑星直列の撮影も大きな反響を呼びました。

「惑星のパレード! すごいです!」「す、凄いです!? いーモノ見させてもらいました」「貴重な写真を共有してくださりありがとうございます」「当たり前なんですが、地球も太陽系の一部なんだと実感出来て不思議な感覚になります」「水星が撮れとる!!」などなど。OASESの有松亘特定助教から今回の惑星パレードやOASESについてお話を伺いました。

○……この写真を撮影した場所、時間は? どんなカメラで撮影したのでしょうか?

撮影地は沖縄県石垣市です。時刻は2022年 6月18日 5時3分 [JST] 。カメラは民生品のデジタルカメラです。(Sony ILCE-7M4(ISO 640)+Sony SEL14F18GM 14mm F1.8)

○……このような惑星直列を撮影した事例は他にもあるのでしょうか。

過去に肉眼でも確認できる5惑星(水金火木土)を同時に撮影した画像というのは見たことがありますが、7惑星を全て同時に収めた画像については、少なくても私は見たことがありません。海王星は見かけの明るさが暗く、暗い空の下でないと捉えることが難しいのです。一方、常に太陽の近くに位置する水星は薄明時でないと空に昇ってこないため、これらを一枚の写真に収めるのは難しかったのだと思います。

○……なぜ撮影に成功できたのでしょうか。

近年のデジタルカメラの感度向上と、石垣島の透明度の高い、水平線近くまで晴れていた空に助けられました。

○……撮影に成功した時の感想は?

正直、撮影時は海王星まで写っていると思ってなかったため、データをチェックして驚きました。

○……改めてこの天体ショーを見て、太陽系や地球に関して思うことは?

今回の惑星集合現象を通して、多くの皆さんに太陽系について興味を持っていただければ幸いです。

○……京都大学OASESの次のターゲットは?

この写真は、あくまで多くの方に太陽系に興味を持っていただくために撮影した、広報用の画像です。OASESプロジェクトの科学目的は、海王星よりもはるか遠く、太陽系の果てにあると推定されている『オールトの雲』と呼ばれる天体群の発見です。オールトの雲の天体を発見するために、当プロジェクトは石垣島を含む沖縄離島に小望遠鏡を設置し、観測的研究を実施しています。ぜひみなさんには今後も太陽系に興味を持っていただき、当プロジェクトの応援をよろしくお願いできればと思います。

▼今朝、石垣島から7惑星(+月)を全て同時に一枚の写真におさめることができました。いわゆる『惑星直列』『惑星集合』です。

今朝、石垣島から7惑星(+月)を全て同時に一枚の写真におさめることができました。いわゆる『惑星直列』『惑星集合』です。 pic.twitter.com/btpFF2ZnEd- 京都大学OASES project (@OASES_miyako) June 17, 2022