3236基の人工衛星で地球の周囲を取り囲み、全人類の95%にブロードバンド通信を提供するというAmazonの「Project Kuiper」に進展があり、新たにAmazonがアリアンスペース、ブルーオリジン、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)という航空宇宙企業3社と契約を結んだことが明らかになりました。

Amazon makes historic launch investment to advance Project Kuiper

https://www.aboutamazon.com/news/innovation-at-amazon/amazon-makes-historic-launch-investment-to-advance-project-kuiper



Amazon’s Project Kuiper books up to 83 rockets to launch its internet-beaming satellites - The Verge

https://www.theverge.com/2022/4/5/23010245/amazon-project-kuiper-megaconstellation-arianespace-ula-blue-origin

Amazonによると、同社が3社の航空宇宙企業と契約を結んだことは、3236基の人工衛星を宇宙に運ぶのに十分なロケットが確保できたことを意味するとのこと。Amazonはアリアンスペースのロケット「アリアン6」で18回、ブルーオリジンのニューグレンで12回、ULAのVulcan Centaurで38回の打ち上げを予定しています。契約には追加の15回の打ち上げオプションが含まれており、これらを合計して最大83回の打ち上げを予定しているとのこと。また、ULAとの契約には打ち上げとは別に「打ち上げをサポートする生産およびインフラ」も含まれているとのことです。



by VALERIE ROCHE

Project Kuiperは、Amazonが世界中のインターネット未接続の地域に高速ブロードバンド通信を提供する大規模なプロジェクトです。合計3236基の人工衛星を宇宙空間の3つの異なる衛星軌道に配置することで、スコットランドの中心付近から南アメリカの最南端よりさらに南、全人類の95%が居住するエリアを通信網に収めるとされています。

Amazonが3000以上の人工衛星で全地球をインターネットで網羅する「Project Kuiper」を始動 - GIGAZINE



by PxHere

Amazonはプロジェクトの進展に向けて低コストな顧客向けアンテナを開発したり、Facebookの衛星インターネット部門を買収したりと、さまざまな取り組みを行っています。

今回の契約で、5年にわたり継続的にロケットが打ち上げられるとのこと。Amazonのデバイス&サービス部門を監督するシニア・バイス・プレジデントのDave Limp氏は「複数の企業から打ち上げの能力を借りることで、コストやスケジューリングのリスクが軽減され、顧客に競争力のある長期的な価格設定を提供できます。このような印象的なパートナーと協力できることを誇りに思います」と述べました。