選手がC氏の発言に対して激しく反発したためにC氏が逆上し、「お前らには嫌でもやってもらう」、「お前らがやらなければ俺がやる」、「試合に負けなければ途中でグラウンドに割り込んででも試合を中止させる」、「監督は国に帰れ」等の発言をし、収拾がつかない混乱となったため、いったんA氏とC氏が退席し、選手と監督だけでミーティングが続行された。

 その後、選手からの声掛けでA氏がその場に戻り、A氏は、「クラブとして不正行為をしてほしいという意図は断じてない」、「明日チームは全力で戦ってほしい」と発言してその場を収め、選手や監督と「正々堂々と戦う」意思を確認するために誓約書を交わした。この誓約書には冒頭に「クラブは選手に場合により負ける選択肢を打診したが、これを撤回し、正々堂々と戦おうと指示した。A」と手書きで記載され、その下に「私達選手監督スタッフはピッチで正々堂々と戦う」と手書きされ14名の選手の署名がある。しかし、2回目のミーティングに参加した選手のうち5名は試合に参加せず鈴鹿に帰ってしまった。

 試合当日のS仙台戦の状況については、残って試合に参加したメンバーは大きく戦力ダウンしたわけではなく、後半80分までは0-0の拮抗した試合であり、最終的には0-1で鈴鹿PGが負けたものの、意図的に負け試合をしたことをうかがわせる事情は見られなかった。また、JFA規律委員会が独自に専門の調査機関に依頼し、実施した追加調査によれば、S仙台戦において、各国におけるスポーツ賭博等に絡んで試合結果を操作しようとする動きや徴候は確認されず、また、選手を含む関係者といわゆる八百長に関係する犯罪組織等との関連性も確認されなかった。

 JFA規律委員会は、C氏による第2回ミーティングにおける選手・スタッフに対する指示は、懲罰基準3-6(1)が定める「試合の経過、結果に不当に影響を与え、操作する行為」に該当すると判断。一方で、指示はオーナーであるB氏の第1回ミーティングにおける発言に誘発されたものであり、金銭的な利得を目的とするものではなかったこと、最終的にS仙台戦における意図的な敗退行為はなかったこと、C氏は既に執行役員を辞めチームを離れていること等は酌量すべき事情と認めている。C氏に対しては、懲罰基準3-6(1)に従えば、最低5年間のサッカー関連活動の禁止および最低1000万円の罰金が科されるところ、懲罰規程第12条第1項に基づいて酌量すべき事情を考慮して軽減し、通知日より2年間のサッカー関連活動の禁止を科すことになった。