昨年入手が困難だったもうひとつの材料は紙で、供給の不足は収まる兆候がない。ファイナンシャルタイムズ(Financial Times)のレポートによれば、2月の時点で製紙工場は木材パルプが不足しているため注文に対応しきれていない。その結果、米国の消費者向けパッケージ商品は新たな課題を抱えている。D2Cの文房具ブランドのアポインテッド(Appointed)は商品をワシントンD.C.で製造しており、紙の不足から商品の製造が遅延した。米国労働統計局(Bureau of Labor Statistics)によれば、段ボール箱に使用されるパルプと紙のコストは2020年から2021年のあいだに25%以上増加し、紙の調達コストが増大した。アポインテッドの創設者であるスアン・ソン氏は、「紙の不足と供給の不安定から、当社は材料の供給元を調整することを余儀なくされた」と、米モダンリテールに語った。同社は通常、原材料を受領してから8週間後に商品を配送する。昨年より前は、同社はこのサイクルに基づいて材料と必要な紙を購入していた。「当社は現在、材料が不足しないように一括で、12から16週間前に購入する」とソン氏は認めている。何カ月にもわたって遅延が続いたあとで、同ブランドは2022年にはリードタイムを変更し続けることが普通となった。ソン氏は、良い兆候として「制限が次第に緩くなっていくのを目にしているが、常に転向が行われ、柔軟性が求められている」と述べている。
いくつかのCPGブランドによれば、パッケージだけでなく、甘味料などの主要な材料も1年近くにわたって不足している。これにはモンクフルーツ、ステビア、エリスリトールなどの代替品も含まれ、パンデミックがはじまってからどれも価格が上昇した。調理専門学校(Institute of Culinary Education)のパン菓子とパン焼き専門プログラムのディレクターで、オンラインベーカリーのレイズ(Raize)の最高製品責任者を務めるジェフ・ヨスコビッツ氏は、砂糖の代用品などの材料の価格は過去1年間に4倍近くに上昇したと語る。ヨスコビッツ氏は、新興企業である同社は今年初めの時点で、2022年に在庫切れを起こすことを避けるため、砂糖の代用品のブレンドを最低でも6か月分は備蓄したことを認めている。ほかのニッチな砂糖の代用品も、短時間で入手するのは困難になった。栄養食品バーのブランドであるマインドライト(Mindright)は、優先して使用している甘味料の遅延を経験した。同社はレシピでココナッツシュガーを使用しているが、過去6カ月にわたってリードタイムが長くなっていた。「当社は新規ブランドとして、競合力を維持するために、これらのコストを一部でも吸収しようと手を尽くしている」と、マインドライトの共同創設者であるクリス・バーナード氏は米モダンリテールに語った。「しかし可能な場合は注文数量を増やすことで、スケールメリットも活かそうとしている」とも同氏は述べている。全体として、各ブランドは必要なときに原材料か代替品を入手する方法を見いだしつつある。この方法は、少なくとも予見しうる将来について有効だろう。「必要なものを入手できても、サプライチェーンのタイミングを満たせるかどうかが問題だ」と、ザホナッキー氏は結論している。大手の複合企業と供給を奪い合っている小規模企業の場合、コストの増加は回復不能に思える。コーンブレッドヘンプのジッパーレ氏は次のように述べている。「近い将来に価格が下落することは期待していない。当面はコストの負担に対応していくことが必要だ」。[原文:The shortage of paper, glass and raw materials has upended manufacturing] Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション 編集:長田真)Illustration by Ivy Liu