今年もはや年の瀬。星空も年末に向け、わさわさと動き出しています。今年最後の天文ショーは? 火星に大量の水発見ニュースも。初日の出情報もお届けします。

スター1★年末の夕空に水星と金星がキラキラ光る

12月29日の夕方、金星と水星が並びます。さらにその上には土星も木星も並んでいます。(画像:アストロガイドブラウザ2021/アストロアーツ)

今年は秋から宵の明星の金星がキンキラと西の空で輝きを放っていましたが、年末、ここに水星がジョイン!

金星と水星は地球より内側を回っていて、地球から見るといつも太陽の方向にいるため、夜空に見ることはできません。だから見えるのは夕方か、明け方。太陽が沈むころと上がるころだけ。その限られた時間に水星と金星の両方が並び、キラキラといっそう賑やかな年末です。ふだんあまり目にすることのない水星ですが、金星の色と比べてみてください。

スター2★やっぱりあった! 火星に大量の水を発見ニュース

中央を横切るのがマリネリス峡谷。ざっとアメリカ大陸を横断する長さ。(画像:NASA/JPL-Caltech)

欧州宇宙機関ESAからビッグなニュースが届きました。火星に大量の水が発見されたというのです。これまでも火星に水があった痕跡は発見されていました。今回のニュースは、水が実在する証拠をつかんだというものです。

火星は地球よりひとまわり小さい惑星です。そこにあるマリネリス峡谷を呼ばれる谷の地表付近の土中に大量の水が存在する証拠を発見したのです。マリネリス峡谷は長さ3,000キロ、深さは平均で8キロという大峡谷です。アメリカのグランドキャニオンよりはるかに大きいのです。

発見したのはESAが2016年に打ち上げたTracs Gas Orbiterという微量ガスを調べる探査機です。地中に大量の水素が含まれていることを発見し、「水の存在」を証拠づけるものです。

地球で言うところの赤道のあたりにあるので、水がどんな状態で存在するのか、液体なのか、氷なのか? かつて火星の表面に見えるシマシマが運河ではないか? そんな仮説が立てられ火星人が話題になった時代がありました。運河かどうかはわかりませんが、水はありました。今後のニュースが楽しみです。

スター3★来年はどこで見ますか初日の出

来年の初日の出情報をお届けします。主な都市の日の出時間は次の通りです。

札幌 7時06分
仙台 6時53分
秋田 7時00分
さいたま 6時51分
千葉 6時49分
東京 6時51分
横浜 6時50分
新潟 6時59分
金沢 7時5分
長野 6時59分
静岡 6時54分
名古屋 7時01分
京都 7時05分
大阪 7時05分
神戸 7時06分
松江 7時17分
広島 7時16分
高松 7時10分
福岡 7時23分
鹿児島 7時17分
沖縄 7時17分

ちなみに日本でもっとも早い初日の出は、本土のはるか東南の太平洋に浮かぶ南鳥島(みなみとりしま)で5時27分です。しかし、ここに住んでいる人はいませんね。人が住んでいる場所としては、小笠原諸島の母島で6時20分。島を除くと、千葉県の犬吠埼で6時46分です。日本でいちばん標高が高い場所、富士山の山頂では6時42分です。

みなさんはどこで初日の出をご覧になりますか? 大晦日の夜は星空を眺めて、ぐっすり良いお年をお迎えくださいZzz.

良いお年を。(画像:Phil Fiddyment)

*文中の時間や星図は東京の国立天文台を基準にしたものです。

文/佐藤恵菜