ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第58回は「#カッサータ」。

ドライフルーツやナッツが散りばめられ色鮮やかな映えスイーツ「カッサータ」


○イタリア・シチリア島生まれのチーズのケーキ

カッサータ(cassata)とはイタリア・シチリア島が発祥の伝統的なスイーツのこと。本来のカッサータは、スポンジケーキにリコッタチーズと果物の砂糖漬けを重ね、周囲にピンクか緑色のマジパンを被せた色鮮やかなお菓子だ。それが世界に広がり、さまざまなカッサータとしてアレンジされていったため、カッサータといっても国によって見た目も中身も違う。共通しているのは、中のクリームにナッツやドライフルーツ・果物の砂糖漬けがふんだんに混ぜ込まれている点だ。語源はイタリア語の「箱」という意味の「cassa(カッサ)」ではないか、アラビア語の「鉢状のケーキ型」ではないかなど諸説ある。

日本では、リコッタチーズあるいはクリームチーズにナッツやドライフルーツを加えたものを生地の上に乗せて冷やし固めたアイスケーキが、カッサータとして人気となっている。Instagramで「#カッサータ」のタグが付いた投稿は約1.8万件(2021年11月現在)。コンビニスイーツとして販売されているもの、カフェやレストランのデザートとして出されているものなどさまざまな投稿がある。ドライフルーツが散りばめられて彩りがよく、「映えスイーツ」としても魅力的だ。

○ブームの火付け役!ローソン「ドライフルーツとナッツのカッサータ」

ローソン「ドライフルーツとナッツのカッサータ」(399円)


2021年4月にローソンで発売された「ドライフルーツとナッツのカッサータ」(2個入り、399円)は、冷凍のままでも半解凍でもおいしく食べられるコンビニスイーツとして話題を呼び、一時は売り切れが続出するほどの人気ぶりだ。1個あたり84キロカロリーとスイーツにしては低カロリーなこともあり、女性や健康を意識する層に好評だという。

開発のきっかけは「コロナ禍の外出自粛でまとめ買いをするお客様が増えました。そのため、自宅でストックし、食べたいときにすぐ食べられるものをというニーズを踏まえて開発したのが『ドライフルーツとナッツのカッサータ』です」とローソン広報部アシスタントマネージャーの平井麻子さんは話す。

ローソンのカッサータは、スポンジ生地の上にリコッタチーズを使用したクリームが乗せられ、クリームの中にドライフルーツとナッツが混ぜ込まれており、同時にいろいろな食感が楽しめる。Instagramには「ダイエット中でも罪悪感なく食べられる」「カフェで出されてもいいレベルの味と食感!」など高評価の声が多数あった。

通常の冷凍スイーツは解凍する手間がかかるものが多く、アイスクリームはすぐに溶けてしまう。「原料や素材の組み合わせを工夫することで冷凍しても硬くなりすぎないため、袋から出してすぐに召し上がっていただけます」(同社平井さん)と話す。そのとおり、冷凍庫から出してすぐの状態でもスッとフォークでカットでき、ひんやり感を楽しめる。

○タリーズの「カッサータ」はプラントベース

タリーズの商品。手前「苺とソイミルクのカッサータ」(495円)、奥「ソイミルクのカッサータ」(495円)


タリーズコーヒーは、2021年3月に「苺とソイミルクのカッサータ」と「ソイミルクのカッサータ」の2種類を発売した。特徴はいずれも豆乳ベースでつくられており、動物性食材を使用しない“プラントベース”のスイーツであること。健康志向の高まりと環境保護の観点からサスティナブルな取り組みとして、あえてプラントベースフードにしたのだという。

タリーズコーヒージャパン秘書広報グループの須粼未紗さんは「日本発祥ではない世界のスイーツとして見つけたのがカッサータです。日本人の味覚に合うようタリーズオリジナルレシピを考案。乳製品を豆乳に変えることで、より多くのお客様のニーズにお応えできました」と販売までの経緯を話す。ちなみにタリーズコーヒーではカッサータ以外にも、「大豆ミートのピリ辛ピタサンド」(440円)や「畑の恵みのタコライス」(968円)などのプラントベースフードを展開している(一部店舗を除く)。

タリーズのカッサータは、スッキリとした味わいのコーヒーや渋みのあるストレートティーと相性が良い


タリーズコーヒーのカッサータは、食べ進めていくうちに風味が変わっていく。クランベリー、ピスタチオ、クルミなどの食感がとてもいいアクセントになっている。「カッサータを溶かしながら変化を楽しめる点や軽い口当たりが女性のお客様を中心にとても好評です」(須粼さん)とのこと。Instagramでは「プラントベースと言われなければ気づかないくらい濃厚!」「ちょうどいい甘さでコーヒーにピッタリ」などの声が多い。

カッサータはフローズンスイーツだが、テイクアウトも可能。再冷凍すると風味を損なってしまうため、持ち帰ったらすぐ食べるようにしたい。

○セブンイレブンの新商品「カッサータ」

2021年10月末に発売されたセブンイレブンの「カッサータ」は発売直後から話題となり、品薄状態が続いている。こちらはアイスケーキではなくムースで、形がドーム状になっているのが特徴だ。

セブンイレブンの「カッサータ」(300円)はアイスではなくムース状になっている


直径は約8センチもあり、かなりのボリューム感。リコッタチーズを配合したレアチーズムースの中にぎっしりと具材が混ぜ込まれていた。具材はオレンジマーマーレード、クランベリーの砂糖漬け、ローストアーモンドで、ザクザクとした食感が楽しめる。特に大粒のクランベリーの酸味が効いているので、甘すぎず食べやすい。

Instagramでは発売して間もないにもかかわらず「丸い見た目がかわいい」「甘味も酸味も控えめでペロッと食べられる」など絶賛の声が続出している。

コンビニスイーツとして発売されたことがきっかけで話題となっている「カッサータ」。マリトッツォの次なるトレンド候補としても注目されている。ぜひ一度試してみては?