東京地裁前に当時は、長い列ができていた

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新型コロナウイルスのワクチン特例承認差し止めをめぐる訴訟の第1回口頭弁論が2021年10月12日、東京地裁で開かれ、共同通信などの報道によると、関係者とみられる数百人がマスクを着用せずに集団で庁舎内に入った。

ツイッターには、訴訟の支援者らが撮ったとみられる動画もいくつか投稿され、その行為については、様々な意見が寄せられている。

ワクチンパスポートは断固反対」などとマイクで訴え

投稿された動画を見ると、雨の中で傘を差した人たちが東京都千代田区内の地裁前に列を作っている。そのほとんどがノーマスクだ。

報道によると、この日13時30分の開廷に合わせ、庁舎内に入るための手荷物検査が行われて長い行列ができたといい、そのときの様子らしい。

これらの人たちは、マスクをしないで会話しており、その中を地裁の職員らしき人が時々マスク姿で出て行く様子も映っていた。地裁の入り口前には、立て看板などが置かれ、ノーマスクの男性が傘を差さずに「ワクチンパスポートは断固反対」などとマイクで訴えている。この演説で訴訟関係者の名前が出ると、「頑張れ〜」とのかけ声が上がっていた。

報道では、地裁の職員らが感染予防のため対応に追われ、現場が混乱したという。庁舎1階のロビーや弁論が開かれた法廷のある7階のフロアも、マスクをしない人であふれていたとされている。地裁では、来庁者にマスクを着けるよう呼びかけているが、強制はできず立ち入りも拒めないという。

大勢の人たちが地裁に集まったことで、ツイッター上では、法曹関係者からも、「何があるんですかね?」「ノーマスク集団だらけになってて恐ろしい」といった声が上がっていた。

「訴訟クラスター発生しそう」と心配の声も

訴訟の前日10月11日には、支援者とみられる人がツイッター上で、「反ワクチン訴訟」への参加を呼びかけていた。そこでは、法廷に入れなかった群衆で裁判所を取り囲み、その光景を拡散することが大事だと強調していた。

訴訟の主任弁護士も同日、地裁の入り口でプラカードを持ったスタッフがいるので集まってほしいとSNS上に書き込んでいた。訴訟当日について、この弁護士は、SNSで多くの人が呼びかけたおかげで、地裁は大変な人でごった返しており、少なくとも500人は集まったと報告した。これに対し、傍聴席は26人分しかなかったといい、地裁の認識が甘いなどと指摘している。

投稿動画によると、12日の口頭弁論の後、弁護士は、マスクをせずに地裁近くの歩道上で支援者に事後報告を行った。ワクチンに反対して徹底的に戦っていくと宣言すると、「そうだ」「頑張れ〜」と支援者から拍手が出ていた。

ノーマスクで集まったことについて、ツイッター上などでは、支援者とみられる人たちから「マスク云々より 裁判の話ニュースにしろ」などと報道にクレームが出ていた。その一方で、感染リスクなどに配慮しないことに苦言も多く、「訴訟クラスター発生しそう」「ほんと迷惑な話だ」「打ちたくなければ打たなきゃ良い」といった声も相次いでいる。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)