上半身と下半身をネジらずに一緒に回していくことで、腰への負担を軽減している(撮影:岩本芳弘)

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<ファンケルクラシック 2日目◇21日◇裾野カンツリー倶楽部(静岡県)◇7040ヤード・パー72>
「腰痛もあって正直スイングもわからなくなった時期があった」という崎山武志が、5バーディ・ボギーなしの「67」でトータル8アンダーまで伸ばし、首位タイに躍り出た。「完全に治るようなことなない」腰痛を持ちながら、どうスイングを立て直していったのか。
崎山はボールを左に打ち出して右に曲げていくフェードヒッター。一般的にしっかり腰を左に切っていかないと、ボールがつかまりすぎて左へのミスになる。腰痛持ちの崎山にはきつい動きのはずだ。
「いままではインパクト重視でドーンと打ち込んでいたんですけど、いまは体を緩めて回してあげるイメージで打っているので、前に比べると良いスイングができていると思います」と崎山は話す。インパクトで上から打ち込むスイングだと、上半身と下半身のネジレによって腰にダメージを与えるが、下半身を止めずに「全体を同じように回していく」ことで、腰への負担を軽減。それだけでなくショットの精度も上がっている。この日は、8番パー3以外の17ホールでパーオンに成功し、「ピンチらしいピンチもなく」回れた。
スイングのイメージを変えたのは昨年から。「今年に入っても何試合か強く入っていたんですけど、ボールとの距離を気にしてからスイングが良くなった」と崎山は振り返る。インパクトで上から叩きにいくと、自分とボールとの距離は近づいていく。それを「遠目というほどではないですけど」と、ボールとの距離を取るようにしたら、フォローの窮屈さもなくなってきた。
レギュラーツアーでは未勝利に終わったものの、シニアツアーで花開いた苦労人。13年のルーキーイヤーに初優勝を達成すると、15年には年間4勝を挙げて賞金ランキング2位に入った。そんなツアー屈指の実力者も、18年を最後に勝利から遠ざかっている。
「きょうは自分のやるべきことを通せたので、良いスコアにつながった。あすも自分のスイングをやり通すだけ。あとはパッティングのラインをしっかり読めればいいのかなと思います」。腰痛と上手く付き合う58歳は、ツアー9勝目を目指して「久しぶりの良い位置で」残り18ホールを迎える。
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