アメリカには4,000校を超える大学があります。スタンフォード大学やハーバード大学などの総合大学が有名ですが、今回のクイズのテーマは 「リベラルアーツカレッジ」についてです。幅広い知識の習得を目指し、アメリカの教育制度に根付く、リベラルアーツという考え方とは何か、クイズ形式でご紹介します。

アメリカの大学といえば、有名総合大学が真っ先に浮かびますが、リベラルアーツカレッジも質の高い教育が受けられます。

リベラルアーツカレッジにまつわる4択クイズにチャレンジ!

クイズは全部で5問。何問正解できるかチャレンジしてみてください。問題の答えについては、後ほど詳しく解説します。

問題1.リベラルアーツカレッジの特徴とは?

A.少人数である
B.専攻を途中で変更できる
C.きめ細やかなサポートが受けられる
D.専攻を問わず自由にクラスを履修することができる

問題2.リベラルアーツの概念が生まれた国は?

A.フランス
B.アメリカ
C.ギリシャ
D.スウェーデン

問題3.アメリカのリベラルアーツカレッジ(トップ10)における年間授業料の平均は?

A.約100万円
B.約200万円
C.約300万円
D.500万円以上

※トップ10のランキングはUS Newsの「National Liberal Arts Colleges」を参考にしています。

問題4.アメリカの大学に入学する際、一般的に必要とされるテストは?

答えはふたつ。どんなフレーズの略語であるかも考えてみてください。

A.SAT
B.ACT
C.ISEE
D.SCAA

問題5.アメリカの教育制度においてよく耳にする「K-12」とは?

A.もっともレベルの高い学生12人で作られた選抜チーム
B.大学で行われる12科目の試験
C.1学年=12ヶ月
D.幼稚園から高校卒業までの13年間(Kは「Kindergarten」)

クイズの回答

それではクイズの回答を見ていきましょう。

問題1の答え.A、B、C、Dすべて

アメリカの大学は、大学院を有する大規模な総合大学(Reserch University)、リベラルアーツカレッジ(Liberal Arts College)、地域の学生が通う二年制の州立大学(Community College)の三つに大きく分けられます。

リベラルアーツカレッジは、全校生徒1,500人前後の学校が多く、少人数ならではのきめ細やかで熱心なサポートが強みです。 選択肢で挙げた4つすべてが特徴として当てはまります。

【リベラルアーツカレッジの特徴】
・少人数である
・専攻を変更することが可能(選考決定後も変更可能)
・きめ細やかなサポートが受けられる
・専攻(文理や学部)を問わず自由にクラスを履修することができる

ただし大規模な総合大学のなかにも、初年度には専攻を決めずに多種多様なクラスを履修させる“リベラルアーツ形式”を取り入れている大学も少なくありません。専攻や学部の垣根を超え、幅広い分野を学べるのは学生にとって非常に有意義ですね。

問題2の答え.C)ギリシャ

リベラルアーツ発祥の地は古代ギリシャ。当時は「生きるための手法」を指す言葉でした。この概念は古代ローマとイギリスを経てアメリカに継承され、基礎的教養や論理的思考の習得に重きを置いた少人数制大学「リベラルアーツカレッジ」が生まれました。

シンプルに言えば、就職や進学に必要となる専門知識よりも、“人間力”を高める教育を目指すのがリベラルアーツカレッジです。

問題3の答え.D)500万円以上

アメリカのリベラルアーツカレッジの平均的な学費は、年間約500〜600万円(※)。寮に入る場合は、学費のほかに、寮費や食費などがプラスされます

総合大学においても、トップにランクインする大学の学費は年間約500〜600万円が相場。日本にある大学の“4年間のトータル学費”が「国立大学=約214万円」「私立大学(文系)=314万円」であることを考えると、いかに高額であるのかがわかりますね。

※「National Liberal Arts Colleges(US NEWS)」でトップ10にランクインしている大学で計算。

学費はアメリカ語学留学の大きな壁のひとつ……。仮にハーバード大学に通いながら寮生活をした場合には、なんと年間750万以上が必要になります。

問題4の答え.A)SAT、B)ACT

日本の私立大学入試や国公立大学の二次試験のような個別テストのないアメリカでは、大学側が指定した「SAT(SAT Subject Tests)」や「ACT(American College Testing)」などのスコアが合否のカギとなります。もちろんスコアのみで判断されるわけではなく、高校での成績や課外活動の内容なども選考対象のひとつ。入学希望者のことを総合的に理解する工夫がなされています。

ちなみに選択肢Cは「Independent School Entrance Exam」、選択肢Dは「Specialty Coffee Association of America」の略語。ISEEはアメリカの私立中高受験時の統一試験、SCAAはアメリカスペシャルティコーヒー協会の名称です。

問題5の答え.D)幼稚園から高校卒業までの13年間を指す(Kは「Kindergarten」)

アメリカでは、幼稚園での最後の1年から高校卒業までの13年間を「K-12」と言います。この間は義務教育として無償で授業を履修できるのが一般的です。

現在、“K-12修了後すぐに就職した人”と“大学卒業後に就職した人”との給与格差が広がっているアメリカ。教育&経済上の格差を生まないためにも、大学までをひとつの教育サイクルとする「K-16」という考え方も広がっています。

リベラルアーツカレッジには利点も多い

アメリカの大学といえば、海外ドラマにもしばしば登場する有名総合大学が真っ先に浮かぶもの。もちろん専門的なクラスや研究課程に参加できる総合大学は就職に有利ですが、リベラルアーツカレッジにも少人数かつ自由な環境で学べるという大きな魅力があります。

海外留学を検討するときには、ぜひリベラルアーツカレッジも候補に入れてみてくださいね。

文/山根ゆずか