5回、審判団と話すヤクルト・高津監督(左)と阪神・矢野監督=神宮

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● ヤクルト 1 − 5 阪神 ○

<13回戦・神宮>

 阪神が敵地でヤクルトを下しカード先勝。阪神にとっては自力で首位をキープした一戦だったが、5回に“サイン盗み疑惑”を巡って一触即発となる場面があり、後味の悪いゲームだった。

 問題となったのは4点リードの阪神が攻撃していた5回表、二死一・二塁で5番・佐藤輝明に対する初球がボールになったシーン。二塁走者の近本光司がリードをとってから何度か左手を挙げる動作を見せると、これを三塁手の村上宗隆が“サインの伝達行為”と指摘し、阪神ベンチと睨み合い。両軍ベンチから怒号が飛び交い、球場が一時騒然となった。

 “疑惑”をかけられた近本の行為について、6日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で司会を務めた大久保博元氏は「これは絶対にやっちゃダメ!絶対にダメ!!阪神の好調がこういう動きによってケチがつく。一番やっちゃいけないことだから」と語気を強めて批判。「セカンドベースとの距離を測っているという見方もできるんです。でも映像をみてもらったらわかるんだけど、全然そんな動きじゃないから。こういうのは絶対ダメ」と繰り返した。

 解説で同席した野村弘樹氏は「タイガース側はやってないというかもしれないけど、スワローズ側からしたら明らかに伝達行為に感じるんですよ。この行為はいけません」とコメント。電話出演した斉藤明夫氏も「一度くらい手を動かすならいいんですけど、2回3回と動かしているじゃないですか。キャッチャーが寄ったと(打者へ)サインを出したと感じ取られても仕方ないのかなという行為」と指摘した。

 大久保氏は「これは矢野監督が抗議に行く場面じゃないですよ。高津監督がブチギレてもいい場面」と語り、解説陣もこれに同調。「野球じゃなくなっちゃうから。スパイ行為は発覚したら永久追放になるくらいの行為って皆わかっていてほしい。俺も監督のときにあったんですよ。嫌な思いをした。絶対近本はやっちゃだめ!紛らわしいことしない!」と、最後まで熱弁が止まらなかった。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』