李容九氏(資料写真)=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】タクシー運転手を暴行した容疑で捜査を受けている韓国の李容九(イ・ヨング)前法務部次官は3日、弁護士を通じて発表した文書で、この運転手に渡した1000万ウォン(約100万円)について、示談金であり事件当時のドライブレコーダーの映像を削除する見返りではなかったと主張した。

 李氏は昨年11月、酒に酔ってタクシー運転手の首を絞め、暴言を吐いたことが車内のドライブレコーダーの映像で明らかになった。この映像を消すため、李氏が通常より多額の示談金を渡したとの疑いが浮上していた。

 李氏は1000万ウォンを渡したことについて、「普通より多いとは思ったが、当時は弁護士であり、(政府高官らの不正を捜査する新組織の)高位公職者犯罪捜査処の処長候補に挙がっていたことを考慮した」と説明。示談の過程では「いかなる条件も提示していない」とし、「示談金がドライブレコーダーの映像削除の見返りであるかのような一部の報道は事実ではない」と強調した。

 一方、示談の成立後に運転手に電話して映像削除を求めたが、運転手はこれを拒否したと明かし、「削除を求めたのは運転手が(対話アプリの)カカオトークで送ってきた映像が第三者に送られることを懸念したためであり、ドライブレコーダーの映像原本を削除してほしいという意味ではなかった」と釈明した。

 李氏は警察と検察にそれぞれ出頭して取り調べを受け、タクシー運転手に対する暴行容疑を認めた。

 事件を捜査するソウル中央地検は近く、特定犯罪加重処罰などに関する法律上の運転者暴行の罪で李氏を起訴する見通しだ。警察も李氏に証拠隠滅教唆の容疑を適用し、起訴相当として送検することを検討している。

 李氏は先月28日、法務部次官の就任から約半年で辞意を表明した。李氏の辞表は3日中に受理される見通しだ。