台湾で献血不足が深刻化 在庫は5日持たず「20年来最悪の状況」に

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(台北中央社)新型コロナウイルスの感染拡大を受け、台湾献血不足が深刻化している。台湾血液基金会によれば、国内の血液ストックは5日持たない「20年来最悪」の状況で、最も不足しているのはA型とO型。感染者が多く、医療機関も集中している台北市への影響が甚大だという。

同基金会が1日に必要とする血液は最低6500単位(1単位=250ミリリットル)。だが、今月17日に6.7日分(4万4620単位)あったストックは、21日現在4.4 日分(2万9266単位)に落ち込んだ。

同基金会の劉俊宏課長によると、昨年は感染を恐れた市民の受診控えもあり、輸血の需要が増えなかったが、今年は病院が入院患者を多く抱えた状態で感染が突如拡大。さらに全国で実施された警戒レベルの引き上げに伴って外出する人が減ったことも献血不足につながり、重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行に見舞われた2003年よりも深刻な状況に陥ってしまったという。劉氏は、献血ルームやバスでは連絡先登録制を実施するなど感染防止対策を徹底していると説明し、積極的な献血を呼び掛けている。

(江慧珺/編集:塚越西穂)