トッテナム所属選手への人種差別で8人が逮捕…マンUの報告ツールが侮辱的言語を検出

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 トッテナムの選手に対するソーシャルメディア上での人種差別により、8人がロンドン警視庁に逮捕されたようだ。21日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が報じた。

 4月11日に行われたマンチェスター・U戦でトッテナムが1−3の逆転負けを喫した後、トッテナムの選手がツイッター上で人種差別的な侮辱を受けた模様。マンチェスター・Uのオンライン報告ツールが侮辱的言語を検出したことをきっかけに、警察の捜査が開始されたという。

 なお、逮捕された8人のうち4人は、人種的憎悪を扇動する意図で言葉・行動・文章を表示した疑いで、警視庁の全国的な取り締まりの一環として取り調べを受け、逮捕に至ったようだ。

 英国警察の公共秩序犯罪チームのマット・シンプソン刑事部長は、次のように述べている。

「今回の行動は、たとえそれがオンライン上で行われたものであっても、警察が人種差別的な暴力を容認しないことを明確にしています。このような悪質な行為に逃げ道はありません。私たちは、このような行為を根絶するために断固とした措置を取ることを約束します」

「忙しくなるサッカーの夏(EURO2020)を前に、我々はこのような人種差別的な行為を根絶することに全力を尽くします。サッカー界に人種差別の居場所は存在しません。全国の警察関係者やマンチェスター・U、トッテナムからの支援を大変嬉しく思います。彼らがいなければ、このようなユーザーを特定し、行動を起こすことは難しいでしょう」

 また、反差別のNGO団体『Kick It Out』のトニー・バーネット代表は今回の逮捕について、次のようにコメントを寄せた。

「ネット上での侮辱は許されないものであり、逮捕された者は現実にその影響を受けることになるという強力なメッセージを発しています。ソーシャルメディアは、社会的に不適切な行動の手段となっており、ある種の人々は暴力的なメッセージを送っても構わないと考えています。私たちは、ネット上での侮辱が罰せられ、加害者が可能な限り特定されるような環境を作らなければなりません」

「今回の逮捕は、ネット上での侮辱行為を取り締まる警察の姿勢を示すものであり、差別的なメッセージを投稿する前によく考えるよう、他の人たちにメッセージを送ることを期待しています。また、サッカーをしている人、見ている人、働いている人、そして暴力を受けている人の幸福に焦点を当て続けることも重要であり、必要としている人には引き続きサポートを提供していきます」