AIが「気持ち」を可視化! 自分の感情を11分類して表現できる「Upmood」

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現在は、ビジネスだけでなく、生活の中でも「可視化」することは、コミュニケーションにおいて重要性が高まっている。
様々なものが可視化されることで、多くの人に理解されるだからだ。

Upmood Japanの「Upmood」は、AIを活用して自分の気持ち(感情)を可視化する。
スポーツや健康産業の総合展示会「SPORTEC 2020」に出展されていた「Upmood」をレポートしよう。


■新たな行動をおこなうキッカケになる
Upmoodは、AIの力で感情を可視化する。
自分の感情を把握することで、新たな行動をおこなうキッカケになるし、ライフスタイルをマネージメントすることにもつながる。

感情を可視化するためにUpmood Band、またはUpmood Watchを手首に装着する。
これらのモバイルデバイスから得たバイタルサインは、クラウド上にアップロードされ、AIの分析により感情を表示してくれるという。
表現される感情は、現在11種類とのこと。


バイタルサインを測定する、ウェアラブル端末「Upmood Watch」。


分類された感情は、クラウド上で確認ができ、感情を自己管理できる。
また感情の分類データは、家族などと共有することも可能だ。


バイタルサインを解析した結果、現在の感情は「冷静」であることがわかった。


「Upmood speaker」は、Upmoodにより分類された感情を、色で表現するデバイス。
AIが、バイタルサインから分析された情報をもとに、自分が望む感情に近づける音楽を選択してスピーカーから流してくれる。

現在、音楽はUNIVERSAL MUSICの楽曲を利用しているが、有料サービスにより別の楽曲を流すこともできる。
もちろん通常のスピーカーとしての使用も可能だ。


Upmood speakerは感情を色で表現してくれるほか、その人が望む感情に近づける音楽を流してくれる。



■感情を知ることは自己管理にとって大事
スタッフに、Upmoodの開発やビジネス展開について聞いた。
Upmoodは香港のベンチャー企業が開発した製品で、3〜4年ほど前から開発が進められてきた。
「自殺を減らすには、どうしたらよいのか?」
こうした思いから研究が始まったという。

Upmoodを装着した人は、感情を読み取ることができる。
言葉や文字だけでなく、相手の感情を知ることでコミュニケーションがスムーズになる。
そのためにUpmoodの研究は積み重ねてきた。

Upmood は、香港の大学で16歳以上の被験者のデータを得て実証済だという。
実証では衝撃的な映像を見せる必要があることから、倫理上16歳以上の適用となっている。
この実証から11種類の感情に分けることになったそうで、フェースマークに加え、色でも感情を可視化される。


フェースマークが感情を表現したもの。11種類に分類される。


他社にも感情を可視化する製品はあるが、感情を認識してから、それを解決する手段までは提供されていない。
そこでUpmoodは、楽曲により感情を制御するアプローチを行っている。
UNIVERSAL MUSICの楽曲の中から歌詞のない楽曲で波長を研究し、興奮する楽曲、落ち着く楽曲といったように楽曲を分類して利用している。

今後のアップデートで、興奮しているときに「Rest」ボタンを押すと心拍変動にあった楽曲を選択して再生することができるようになるという。

Upmoodのビジネスモデルとしては、ヨガ教室などが想定されている。
インストラクターが利用者の気落ちを可視化して知ることで、きめ細かい対応が可能になるほか、参加者のバイタルデータをもとに、状況に適した音楽の提供も可能だ。またUpmood insight systemを使用すると、12時間のデータを確認できるので、自己の感情管理に役立てることもできるという。

香港では、従業員の感情をモニタリングして、ストレス改善につなげるなどの展開事例もあったという。
Upmoodを利用することで、個人が行動変容をする際に、どういう感情であるのかを把握することが可能となる。
そうしたデータ分析がUpmoodの強みとなる。

Upmoodは、マーケティングやフィットネス、福祉介護など、さまざまな分野でのニーズがあるため、現在ビジネスパートナーを探している段階とのこと。

Upmood


ITライフハック 関口哲司