口を開けば全部ダメ…上田晋也が元運転手「浜ロン」に公開説教

ピン芸人・浜ロン(46)が、2016年4月から毎日投稿しているツイートをまとめた著書『ダ名言』(主婦の友社)がヒット中だ。本には、「夢を諦めたからといって、楽しむことを諦めたわけじゃないですからね」「今ここに金がある! きっとどこかで頑張ったんだ! キッカケはないけど自分にご褒美だ」などの名言が満載だ。
実は、浜ロンは数年前まで、同じ事務所の大先輩、くりぃむしちゅー・上田晋也(50)の運転手を務めていた。多忙な合間を縫って「後輩の本のためなら」と駆けつけてくれた上田の男気により、対談が実現。そのこぼれ話をお届けします!
上田晋也(以下・上):おかしな話なんですよ。先日、自宅にいたときに『ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜』(TBS系)を観ていたら、こいつ(浜ロン)が出ていた。
MCの石井亮次さんが、「この時代にピッタリの書籍がございます。自粛中にピッタリの、えー、こちら、芸人の浜ロンさんが書いた『ダ名言』」と言うわけですよ。
で、わざわざ、こいつのダ名言をフリップにして、「えー、浜ロンさん、これは一体どういう意味でしょうか?」って。
自粛期間中だから、こいつもふざけづらかったのか、「そうですね。夢っていうのは、前向きだけじゃなく、いったんハードルを下げるとすごく幸せを得られるよ、とそういう気持ちで書いたひとつの名言でございます」「なるほど、いまの時代にピッタリですねぇ」って、いやそんなトーンでお送りする本じゃないんだって!(笑)。
浜ロン(以下・浜):だって、そもそも石井さんの口でダメって言ってますからね。「ダ名言」って言ってるんですから(笑)。
上:お前も、あれは言うべきよ。『石井さん、そんなトーンでお送りする本じゃないです』って。
浜:まあ、そうなんですけどね。やっぱ、ちょっと言えないムードがあったんですよ。そのとき、コロナ禍の真っただ中だったので、リモートで各分野の先生に聞いてるんですよね。そこに混じって、僕みたいな腐れ芸人の話を「なるほど……」みたいなテンションで聞いてるから、おかしかったんですよ。
そんな『ダ名言』は、1万9000部(6月13日の取材時点)と、売れ行きは好調だという。
浜:何も成してない人間が書いてるんですけどね。
上:お前が言うな! でも、ダ名言だから、お前がいちばん言えるって話だからな。
浜:口を開けば全部ダメなわけですから、ビッグチャンスですよ、これは。
浜ロンが、ツイッターで日々「ダ名言」をつぶやくようになったきっかけは、「『○○芸人』のような自分の肩書をつくれ」と運転中に上田から言われた一言だった。
結果、浜ロンは「闘わない」「無理しない」「自分を守る」という『ハト派芸人』を名乗ることにしたという。浜ロンは、このことを同書の前書きで書いているが、肝心の上田はそのことを覚えていないという。
上:全然知らないです。
浜:ふだん、ほとんど車中ではバカな話しかしてないですからね。僕は5年近く運転してたんですけど、だいたい車中では毎回「お前の顔は豚に似てる」っていう話ばっかりで……(苦笑)。
上:アッハッハ。
浜:もう、ほぼ、その会話しかしてないんですよ(笑)。
上:おまえ、そんなに運転してたの? そもそも。
浜:4年10カ月ですね。
上:あ、そう? 1年半くらいのイメージだったけど。
浜:いや、だから、中身がないからですよ(笑)。ある日、上田さんが「お前の顔、豚に似てるね」つって言うわけです。それが、ギャグトーンで言う日もあれば、またある日は「いや、お前、マジよ?」みたいな。なんか急に「これ、哲学的な話よ。おまえが望めばそうなる」みたいな話をされたりとか。めちゃくちゃですよ。ホントに。
上:ハッハッハ(爆笑)。
浜:前にもテレビ番組で、「お前の顔、豚に似てる」と上田さんが言うから、「いえいえ、今まで人生で言われたことないですよ」って返したら、「いや、それは日本人のよさよ」って。
急に、豚から遠いとこに行くんです。「日本人のよさって、どういうとこですか?」と聞いたら、「みんながみんな、お前の顔が豚に似てるって思ってるのに、誰ひとり言わない。これが日本人のよさよ」って(笑)。

同書で紹介されている数々のダ名言について、上田は「これ、俺に言ってるな」と思うものが多々あると憤りつつ、ダ名言に共感する人がいることに一定の理解を示す。
上:俺らが若者だった時代には、ダ名言とは真逆の、矢沢永吉さんの『成り上がり』とかあったわけじゃない?
浜:いや、「俺ら」っていっても、僕、上田さんの3コ下なんですけどね。僕は、(『成り上がり』は)通らなかったですね。成り上がらなかったです。
上:いや、でも、確かにわかるっていうか、なんだろう……その成り上がりのほうの考え方の人も、これでちょっと楽になるって人もいるだろうし。
ただ、この本には載ってねえけど、こないだ(お前の)ツイッターで腹立つのがあったんだよな。お金持ってるヤツとかじゃなくて、すぐノってくれるテンションのヤツです、みたいな。
浜:あ、『お金なんてそんなに必要ない。必要なのは遊びたいときに、すぐ同じテンションで遊んでくれるヤツだ』。これですかね?
上:そう、それそれ。腹立ったのよ。こいつに、いちばんないものだって。俺が毎回「おまえ、今度の土曜日、何やってる?」って聞くと、「いや、別に空いてます」とか言うんですよ。それなのに、「野球でも観に行こうかと思うんだけど、どう?」と誘うと、「あ〜野球すか〜」みたいな。
もう、その時点で誘うのやめようってなるじゃないですか。こいつにいちばんない要素なのに、いかにもこれが大事ですっていうわけですよ。それに腹が立ったわ。
浜:いや、上田さん、俺が言う「同じテンション」って、たぶん「高くないテンション」なんですよ(笑)。俺は一緒に木々を眺めていられるようなヤツと遊びたいんです。
上:違う、違う。俺のテンションじゃん。「空いたよ。俺、野球行こうと思うんだけど」って言ったら、そのテンションに合わせるべきじゃん。
浜:なるほど、そういうことですね。
上:それなのに「あ〜」だからさ。こいつは、そういうとこしかない。その点に関してはホントにガチの説教したぐらいですから。だから、『ダ名言』を読むたびに、こいつ、俺がキッカケでこれ思いついたなって。
浜:いや、そんなことないですから、ホントに!
浜ロンが上田のドライバーを務めたのは、4年10カ月。当時のことを、上田はこう振り返る。
上:ドライバーやってくれてたあいだ、俺が海外ロケとか行くじゃないですか。そしたら、こいつも一緒についてくる。
ダメだ、ダメだっていうわりに、贅沢なこといっぱい経験してるんですよ。初めて観たアメフトの試合がスーパーボウルとかね。オリンピックも観戦してるし、サッカーのワールドカップも行ってる。パッキャオvs.メイウェザーも……。
浜:そうですね。パッキャオの試合は、2回観てますからね。
上:なのに、なんか上田に虐げられてるみたいな感じのトーンで、この本も書いてるでしょ?
浜:いや、そんなことないですよ。なんならオリンピックの話しか書いてないですよ!
上:嘘つけ(笑)。そういうのに1個も触れないってのは腹立ちますよ。あんな、みんなが経験できないような経験してるのに、そこからは何も学んでいないっていう。
浜:いや、違う、違う。上田さんの名前をなるべく借りないかっていうのが大事じゃないですか!
上:もう借りてんじゃねえかよ! ホント、贅沢なことをいっぱいやってんですよ、こいつは。
浜:そういうのは全部吸収して、こうやってね……。
上:もう何にも生かされてない……。
浜:これじゃ対談じゃなくて、公開説教ですよ(泣)!
