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ほとんど同じ見た目の初代と2代目

text:John Evans(ジョン・エバンス)translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
まったく新しいランドローバー・レンジローバー・イヴォークが登場したが、多くの注目を集めた2012年登場の初代と、見た目が似ている。とても珍しいモデルチェンジだ。

ほとんど変わらないようなデザインが、中古車市場にも変化を与えた。初代イヴォークの人気が再び高まり、年式や距離、仕様を問わず、多くの中古車が流通するようになった。後期型の低走行距離のクルマで、4万7000ポンド(634万円)ほど。

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク(初代・英国仕様)

しかし英国なら、9000ポンド(121万円)程度から見つかる。1万ポンド(135万円)を切るイヴォークの価格には、レンジローバーはお金持ちの乗り物だと考えているドライバーは驚くだろう。

走行距離は長めながら、整備記録がしっかりしたイヴォークでも、1万数千ポンド(200万円)ほど出せば手が届く。英国では、初期の2.2Lエンジンか、2015年に登場した2.0Lのインジニウムユニットかを問わず、ディーゼルエンジンの方が人気は高い。

2.2Lディーゼルエンジンの馬力には2段階がある。149psを発揮するeD4は前輪駆動で、TD4は4輪駆動。189psのSD4は、4輪駆動のみとなる。パワーがある上に、燃費は149ps版と大差がない。

2.0Lのガソリンエンジンは、240psを発揮するターボのSi4。スムーズな反面、燃費はディーゼルには届かない。

もちろん不調を起こすことのある、ディーゼル・パティキュレートフィルター(DPF)は付かない。執筆時では、2013年式の3ドア、12万5500kmを走った2.0Si4ダイナミックで、1万7970ポンド(242万円)だった。

しっかり調べて状態の良いものを

2014年になると、SD4には6速ATが設定され、ガソリンエンジンには9速ATを採用。出だしの力強さと、高速時の燃費を兼ね備えた、滑らかな走りを得ている。

2015年には、2.2Lユニットを置き換えるように、2.0Lのインジニウム・ディーゼルが登場。149psと179psの2段階の馬力設定がされ、従来よりフレキシブルで、経済性も良くなっている。2017年には、239ps版がラインナップに追加となった。

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク(初代・英国仕様)

同時にガソリンエンジンでは、240psのSi4に、289ps版が追加となっている。ややこしいが、購入するなら筆者はディーゼル版の方を勧めたい。予算が限られていつつ4輪駆動が欲しいなら、2.2LのSD4が良いだろう。

トリムグレードは幅広い。少なくとも10種類程度は提供されたが、英国ではピュア・テックが最も人気だった。中古車でも一番価値があるようだ。

クルーズコントロールに牽引スタビリティ・アシスト、パーキングセンサーやオートライトなどが装備されている。オプションの状態によって、価格にはかなり幅がある。整備記録がしっかり残っており、できれば保証が付いたクルマを購入したいところ。

イヴォークはとても良いクルマだ。だが、2018年に実施した英国姉妹サイトの調査では、信頼性はほどほどの様子。徹底的に状態を調べて、これぞという1台を選びたい。

不具合を起こしやすいポイント

エンジン

排気ガス循環システム(EGR)からのクーラント漏れを確認する。ターボホースにヒビや割れがないかも見ておく。

トランスミッション

ハルデックス・ポンプの不具合が出ると、トラクション低下という警告が表示される。修理はおおよそ1000ポンド(13万5000円)程度。

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク(初代・英国仕様)

不整地と舗装路面とをまたぐようにクルマを止め、不整地側のタイヤが加速時に滑らないかを確認することで、4輪駆動システムの状態がわかる。6速ATなら、滑らかに変速するかも確かめる。

9速ATの場合、アイドリングストップが機能してから、ドライブへ入れると強い変速ショックがある場合、ソフトウエアの更新が必要なことがある。アイドリングストップが機能しない場合は、バッテリー電圧が低い可能性がある。

サスペンション

試乗して、ダンパーやブッシュ類からのコツコツとした音やキシミがないか確かめる。ステアリングに不自然な緩さや振動がないかも確認したい。スピードバンプを超えたときの強い衝撃は、受け入れるしかない。

警告灯

エンジン始動後にすべてが消えるかを確かめる。エンジンの警告灯は、ディーゼル・パティキュレートフィルター(DPF)を含む、排気ガスの制御装置の不具合でも点灯する。排気ガスのススの発生にもつながる。

ボディ

ボディがサビている場合、事故が理由の可能性あり。オフロード走行で下面をぶつけていないか、下を覗いて確かめたい。リモート・コントロールによるドア開閉の不具合は、良く起きるもの。

インテリア

インフォテインメント・システムを含めて、すべての機能が動作するかを確認する。荒れた路面を走行して、内装パネルなどの組み付けに緩みがないかも確かめたい。レザーシートの状態は良いものを選ぶべき。

リコール

すべてのリコールが対応済みか調べる。

専門家の意見を聞いてみる

ジェームズ・ホーランド  キース・ゴット社サービスアドバイザー

「以前はランドローバーの正規ディーラーで技術者をしていました。ドア・キャッチ部分の不具合のほかに、排気ガス循環システム(EGR)とハルデックス・ポンプが故障しがちです。それ以外は、大きな不具合は発生しなかったと記憶しています」

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク(初代・英国仕様)

「もし正規ディーラー以外のガレージで整備をお願いする場合は、ちゃんとダイアグノーシスがあるか、確認した方が良いでしょう。ジャガー・ランドローバーのサービス記録や技術情報にもアクセスできているかどうかも、確かめた方が良いと思います」

いくら払うべき?

8500ポンド(114万円)〜1万3999ポンド(149万円)

点検や整備が必要な、初期型のディーゼル・モデル。初期のディーゼルでMT、16万kmくらいのクルマが中心。

1万3500ポンド(150万円)〜1万5999ポンド(216万円)

英国では2013年前後のクルマが出てくる。走行距離は12万kmほど。

1万6000ポンド(217万円)〜1万9499ポンド(264万円)

2013年式のクルマが中心だが、2015年くらいまでのクルマも含まれる。走行距離は8万8000kmほど。

1万9500ポンド(265万円)〜2万2499ポンド(337万円)

走行距離が短い2015年式の2.2Lディーゼルや、距離の伸びた2016年式の2.0Lインジニウム・ディーゼルが選べる。

2万2500ポンド(338万円)〜2万7999ポンド(384万円)

走行距離が短い、2017年から2018年式のクルマが中心。走行距離が短い2016年式のインジニウム・ユニット版も選べる。

2万800ポンド(385万円)以上

2018年モデルが中心となる。

英国で掘り出し物を発見

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク 2.2 SD4 ピュア・テックAWD 登録:2012年 走行:19万3100km 価格:1万3250ポンド(178万円)

専門家によれば、走行距離が長めのイヴォークは多くの問題が対策済みのことが多く、良い買い物だと話していた。ブラックのボディにクリーム色のレザーインテリアがスタイリッシュ。ランドローバー・ディーラーでの整備記録も揃っている。

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク(初代・英国仕様)