■部下が楽しめる飲み会に変える

最近の若い人は、飲み会が好きではないですよね。理由は、酒の勢いに任せて「上司が得々と語り出す」からです。

写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/recep-bg

上司が飲み会好きだと、部下は、延々と上司の語りに付き合わされます。説教や自慢話を聞かされた揚げ句、二次会、三次会と連れ回されます。その間、「はい、はい」とうなずいているしかありません。ムダな時間で、生産性が何もありません。

誘われたときは、逃げるしかないです。逃げ方はいろいろですが、私はサラリーマン時代、1人の叔父を5回ほど殺しています(笑)。

「実家から妻のお母さんが来ていて」という言い訳も、角が立ちにくくて有効ですね。

また、飲んでいる間に、どんどん高い料理やお酒ばかり注文すると「あいつは高いものばかりめちゃくちゃ頼む」となり、次から誘われなくなります。

でも、飲み会は、有効に運営すれば、会社にとって有意義な催しにできるのです。普段仕事ではできない社内のコミュニケーションを円滑にし、ストレスを解消し、生産性を上げます。

うちは飲み会にルールを設けています。

時間は90分、二次会は禁止。説教・自慢話禁止、お酒の強要禁止、個室禁止など。

■部課長と一般社員が一緒に飲む

飲み会の種類も多く、「部門懇親会」「グループ懇親会」、上司との「サシ飲み」、他部門の部課長と一般社員が一緒に飲む「夢の共有飲み会」などです。

どの飲み会でも同じで、上司が部下に話をするのではなく、上司が部下の話をひたすら聞く。「傾聴」を徹底させています。

飲み会の経費は、懇親会報告書と領収書を経理に提出すれば、会社から出るようにしています。

また、大勢で飲み会をやるときの席順はくじ引きで決めるようにしています。こうすれば話をする相手が次々と変わるし、交流も深まります。

ルールにのっとって開けば、飲み会もただのムダな時間ではなく、会社に貢献できる仕事に変えることができます。

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小山 昇(こやま・のぼる)
武蔵野代表取締役社長
1948年、山梨県生まれ。東京経済大学卒業。85年武蔵野入社、89年から現職。700社以上の経営指導を手がける。武蔵野を国内で初めて、日本経営品質賞を2度受賞する優良企業に育てる。
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(武蔵野代表取締役社長 小山 昇 構成=篠原克周)