夫婦共働き世帯が増え続けているなか、家族で家事を分担するだけでなく、2019年はそもそも「家事をやめよう」という「やめ家事」の流れが加速しました。そこで、今回はブログ・各種記事で紹介されていた「やめ家事」を集計、ランキング形式でご紹介します。

○やめた家事で集中したのは、「作り置き」!

この数年、「名もなき家事」「家事分担」「家事シェア」「時短」など、家事や住まいまわりでさまざまな言葉が登場していますが、2018年末から2019年にかけては、「その家事、本当にいるかな?」と見直す、「やめ家事」が注目されるようになりました。そこで、今回は「やめた家事」「辞めた家事」で検索、上位30サイトをチェックし、独自に集計しました。その結果が、以下の通りです。

やめた家事ランキング2019(筆者による独自集計)


やめた家事NO.1は、「作り置き」。週末におかずや副菜などをつくっておき、帰宅後に出すだけ、「温めるだけ」の「作り置き」ですが、「私には合わない」「がんばっても疲れるだけ」「休みはしっかり家族の時間をとりたい」との理由でやめる人が多数。「そもそも副菜はいらない!」「品数を豊富に揃える必要はない」という声もあがっていました。

確かに1日に3回ある調理とその片付けは、なかなかサボれないだけに、少しでも省力化したいところ。食事の準備やその後片付けは「やめた」という項目が多く、ほかにも、「食材買い出し」「夕食作り」「食材のカット」「献立を考える」「弁当作り・キャラ弁」「凝った朝食」などをやめた人が多かったようです。

また、やめたあとですが、「買い出しはやめてネットスーパーを駆使する」「カット済み野菜を使う」「冷凍食品を使う」「合わせ調味料を使う」などのコメントがあがっていました。「作り置き」も含め、「ご飯は手作りしなくては」という思い込みを捨て、手軽に美味しくと試行錯誤しているのがわかります。

ちなみに筆者はレトルト食品をストックしておき、仕事で疲れ果てた日は子どもが自分でレトルト(カレー、トマトソース、中華丼など)を選んで食べる日としています。子どもは選ぶのが楽しいようで、「無理に手作りにこだわる必要はないんだな」と痛感しています。

○洗濯物はたたまない、ネットを使わない、干さない!

「やめた家事」堂々の2位となっているのは、「洗濯物をたたむ」です。家族の分の洗濯物をたたんでしまう作業を、「苦手」「めんどくさい」と思う人は多いのではないでしょうか。この洗濯物の作業を見直し、基本的にはシャツ・カットソーは吊るして収納する、下着などは家族の箱やボックスを用意して、仕分けるだけとしている人が増えています。

実際、ハンガー収納にすることで、「どこに何の服があるか」がひと目でわかり、洋服を着る時にも便利。加えて、洋服そのものがシワになりにくいほか、一軍のよく着る服・二軍のあまり着ない服が明確になり、「断捨離」もしやすくなるメリットもあります。

調理と同じく、洗濯物まわりも「やめた」家事は多く、「洗濯物干し」をやめ「全自動洗濯乾燥機」を導入したという人、「洗濯ネットをやめた」「洗濯物の色分け」「アイロンがけ」などをやめたという声もありました。

洗濯は色分けや汚れの予洗いなど、「こだわりたい」という人も多いもの。一方で家族が増えるとその分だけ量も増え、大変さも増します。筆者も今年、洗濯機が故障したのをきっかけに「全自動洗濯乾燥機」を導入。洗濯物をたたむのは下着だけの最小限にしました。想像以上の負担減になっているので、まだまだ「家事を減らせるものだな」と思いました。

また、今回、ランキング上位には入っていませんが、「掃除も回数を減らして、週2日に」「大掃除はやめた」など、掃除でも見直す動きは増えています。

今まで、家事に手をかけることが家族への「愛」だと思われる傾向がありました。一方で、家事を仕事の一つと捉えると、省力化は「手抜き」ではなく立派な「改善」です。今までのやり方にこだわってイライラするのではなく、「もっとラクな方法はないか」とよりよいやり方を模索し、よりハッピーな日々が送れるといいですよね。



○嘉屋恭子

フリーライター。編集プロダクションなどを経て、2007年よりフリーランスで活動。主に住まいや暮らしに関わる分野で取材・執筆を続ける。FP技能士2級取得。