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11月9日の「サワコの朝」のゲストは、ヴァイオリニストの千住真理子さん。長男で日本画家の博さんと次男で作曲家の明さんからなる芸術一家・千住三兄妹の末っ子としても知られる真理子さん。今年2月には天皇陛下御在位三十年記念式典で、明さんと共に三浦大知さんの歌の記念演奏を行ったことでも話題になりました。人生を変えた名器・ストラディヴァリウスのデュランティでの生演奏のほか、楽しくも苦しい音楽人生の軌跡を辿りました。

兄妹3人一丸となって作られた"千住真理子"というヴァイオリニスト
兄2人の影響を受け、2歳3ヶ月の時にヴァイオリンを始めた真理子さん。小学5年生にして全日本学生音楽コンクール小学生の部で優勝すると、天才少女の名を轟かせ12歳で異例のプロデビューを果たしました。当時について、明さんが「僕ら(兄妹)3人で千住真理子だった。12歳でデビューして大変ですよね。だから、ヴァイオリンを弾く以外のことは全部僕たちが分担してやっていたし、真理子の衣装も僕が代わりに仮縫いで着たりしていました」と話すV T Rを見ると、「助けてもらっているなっていう感覚がすごくあったんです」と深くうなずいた真理子さん。続けて「学校の授業がどうしてもわからない時に上の兄が家庭教師みたいになって教えてくれたり、音楽について、例えばバルトークなんて難しくてどういう風に理解したらいいのかわかんないっていう時には、兄たちが一生懸命勉強してそれを私に教えてくれたりした」と当時を回顧しました。

「本当に千住真理子を皆が作ってたっていうのはその通り。私は最後の弾く分野で...。いい兄達だったんだなと思います」と感謝の意を表しました。一方で、父は学者で両親共に音楽には詳しくなかったと話す真理子さん。「趣味は持ってはいけないという教えだったんです」と"趣味にしたい位なら本業にしなさい"と中途半端を嫌う人だと言い、母は「ヴァイオリンの弦が4本張ってあることも知らなかったところから、一緒にレッスン通って先生の言葉を全部メモして夜中に勉強していました」と努力家だったと話した真理子さん。「母はいつ寝るんだろうって兄妹3人で"フクロウ"というあだ名をつけたんです」と家族のエピソードを話してくれました。

ヴァイオリンは、一生やめるつもりだった苦悩時代
華麗な音色で人々を魅了し活躍していた真理子さんですが、20歳の時に思わぬ困難が訪れました。「ヴァイオリンはもう一生弾かない。理由っていうのは、いっぱいあるんですよ。今思えば」と当時を振り返った真理子さん。「プロの音楽家たちは日本においては少なくとも皆さん音楽学校に行ってらっしゃるんですよ。大人になってない学生の私がプロとして活動していることに対しては...」と言うと口を閉ざし「随分いろんなことがあったんですよ」とコメント。「ある日、私は母に相談しました。やめちゃおうかなと思ってるって言ったら、わぁ〜って泣き出して。"あなたにそんな悲しい思いをさせようと思ってヴァイオリンをさせたんじゃないのよ。あなたがヴァイオリンが好きだ好きだって言って、ヴァイオリンを与えたら抱えて喜んでね。だからさせたのよ。こんな風になっちゃってごめんなさい"って。そのときに2人でやめようと決心して」とヴァイオリンから離れた経緯を明かしました。

その後、2年間ヴァイオリンに触らない生活を送ったという真理子さん。当時は一生やめるつもりだったそうですが、ボランティア団体からの1本の電話がきっかけで徐々に活動を再開したといいます。そして「練習しても練習しても元の自分には戻らない」と復帰後の苦悩を語ると、ステージで弾けなくなり楽屋で大泣きしたり、"天才も二十歳を過ぎるとただの人"と言われたこともあると苦しんだことを明かしました。7年経ったある日、突然以前の感覚を取り戻した真理子さんは、その後、人生を変えたストラディヴァリウスのデュランティと出会います。名器を手に入れるまでの秘話や、サワコも驚いた万全のセキュリティにまつわる話も披露してくれました。

「サワコの朝」はインタビューの達人・阿川佐和子が土曜の朝に素敵なゲストを迎えて送るトーク番組です。MBS/TBS系で毎週土曜あさ7時30分から放送中。ゲストの心に残る音楽と秘蔵トークをお楽しみに!」

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