2時間毎に記憶がリセットされてしまう16歳少女(右)(画像は『New York Post 2019年9月11日付「Teen thinks each day is June 11 as memory ‘resets’ every 2 hours」(WQAD)』のスクリーンショット)

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このほどアメリカから、頭部に外傷を負ったことで記憶障害になってしまった少女の一報が届いた。映画『50回目のファースト・キス』に登場する前日の記憶を全て忘れてしまうヒロインのように、毎朝起きると記憶が無くなり怪我をした日に戻ってしまう。さらに少女の記憶は2時間毎にリセットされ、生活に支障をきたしているというのだ。『New York Post』『ABC15 Arizona』などが伝えている。

米イリノイ州カークウッドに住む16歳のライリー・ホーナーさん(Riley Horner)は、今年6月11日に開催されたイリノイ州FFAコンベンションにてチームでダンスを披露した際に、体を支えてもらいながら群衆の上を泳ぐように移動するクラウド・サーフィングをしていた学生に誤って頭を蹴られてしまった。

ライリーさんは頭部外傷の治療を病院で受けたものの、その後記憶することができなくなってしまった。彼女は毎朝起きると前日のことを忘れ、怪我をした6月11日に記憶が戻ってしまうそうだ。

「朝起きてからドアにあるカレンダーを見ると9月になっているので、思わず『なんで!?』ってなっちゃうんです。」

そう話すライリーさんだが、記憶障害は朝起きた時だけではなく、起床してからその日の記憶が2時間毎にリセットされてしまうのだ。

そのためライリーさんは学校で自分のロッカーがどこにあるのかも覚えておくことができず、常に授業で使うノートや教科書、筆記用具などを持ち歩いているという。

また彼女はどんな些細なことでもスマートフォンで撮影したり、メモを書き残すなどし、2時間毎にタイマーをセットして記憶を無くす直前に自分がしていたことを継続できるようにしているそうだ。

ライリーさんの母親であるサラさん(Sarah)はライリーさんが頻繁に発作を起こして記憶を無くすため、何度も病院へ連れて行った。しかし最初に診察した医師は「ただの脳震盪だ」と言い、松葉杖を渡されただけだった。

他の病院でも診てもらったようだが、MRIやCTスキャンで脳を検査しても脳出血や腫瘍などの悪しきものは全く見られなかった。サラさんはメディアのインタビューで「医師からは『娘さんは永遠にこの状態かもしれません』と言われました」と涙ながらに語っている。

そして最近サラさんの兄弟が他界したのだが、ライリーさんに毎日「あなたのおじさんは亡くなったのよ」と教えなければならないのだという。ライリーさん自身は、自分の状態について「私は思い出を作ることができません。この状態が本当に怖いのです」と明かした。

サラさんは色々と調べた結果、ライリーさんのように短期記憶障害は発症して6か月が経つと回復しない可能性があることを知ったそうだ。そのためより良い治療を一刻も早く受けられるように、助けが必要なことを訴えている。

画像は『New York Post 2019年9月11日付「Teen thinks each day is June 11 as memory ‘resets’ every 2 hours」(WQAD)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)