リーグ戦を戦っていく中で、修正力を身につけて成長(中京大・香村篤史)

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切磋琢磨を続け、上のステージを目指す!修正力を身につけ成長した香村君

 高校3年夏には甲子園出場を果たしたが、その初戦で、リリーフのマウンドに立った最初の打者に本塁打されて、チームも敗退した。そんな口惜しさを味わった甲子園だったのが、中京大中京出身の香村 篤史君だ。その後は、系列校の中京大に進学して、さらにその先では社会人野球でもプレーしたいという意志は強く持っている。

 大学野球では、2年目のシーズンを迎えたものの、まだ自分で満足した投球をしたという気持ちにはなれてはいなかった。そうした中で、春季リーグ半ばの5月の連休での東海学園大との試合で、今季初先発して完封勝利を果たした。まさに、入学以来のベストピッチと言っていいものだった。

 「四球を出しても、落ち着いていられたし、投げながら修正していかれるようになって、自分の持ち球を生かせた」と言うように、飛球での併殺も含めて、4つの併殺を記録したのは、その言葉を表していた。

 「自分では、チェンジアップの使い方を覚えたのがよくなった要因だと思う」と、自身の進化を分析していた。半田卓史監督も、「スピードそのものがあるというワケではないのでしょうけれども、丁寧な投球で、変化球も決まっていて、マウンドで今まで見たいに慌てなかったのがよかった」と、2安打完封を評価した。

 今季は、4月初旬の愛知学院大との試合で、10対4と6点リードの場面での9回、連続四球を与えてしまいピンチを作って降板。その後、1イニングで11点を奪われ大逆転されてしまう切っ掛けを作ってしまったという苦い経験がある。そこからの立ち直りでもあった。それだけに、「ホッとしました」というのも本音だろう。

 大学野球の投手としては、まだまだこれからである。 系列校ということもあって、同じ投手の伊藤 稜君や後輩の澤井 廉君、小河原 昌也君、1年先輩の河田 航平君ら高校時代の仲間も一緒に多くいる。お互いに切磋琢磨し合い、成長していくことで、さらに上のステージを目指している。

(文=手束 仁)