DF吉田がVAR判定によるハンドでPKを献上した【写真:田口有史】

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アジア杯決勝、VAR判定で取られたハンド 「吉田麻也の表情がすべてを物語っている」

 UAEで行われたアジアカップ決勝で日本はカタールに1-3で敗れ、2大会ぶり5回目の優勝を逃した。

 3失点目のPKはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の進言によってビデオ判定が行われ、DF吉田麻也のハンドの反則が認められたものだった。議論を呼ぶ判定となったが、海外メディアでは「判定は正しいもの」と指摘している。

 試合は前半からカタールに主導権を握られた。前半12分にFWアルモエズ・アリのオーバーヘッドシュート、同27分にMFアブデルアジズ・ハティムの左足ミドルシュートという2つのファインゴールが決まり、0-2と日本がリードされて試合を折り返した。

 日本も後半になって守備を固めたカタールを攻め込み、同24分にはFW南野拓実が今大会初ゴールを挙げた。しかし、同38分に相手のクロスからのヘディングを競り合った吉田のブロックが、VARの進言による映像確認の末にハンドでPKと判定された。これをFWアクラム・アフィフに決められて、日本は万事休す。そのまま1-3でカタールに敗れてしまった。

 衛星放送「FOXスポーツ」オーストラリア版は、「VARのレビューで議論を呼ぶPKを手にしたカタールが、日本に対して3-1で勝利を決定づけた」と、決勝戦の結果をレポート。PKが試合を分けるポイントになったとの見方をしている。

 その記事にはPKを献上した吉田が呆然とした表情を浮かべる写真が掲載され、「吉田麻也の表情がすべてを物語っている。純粋に信じられないということを」と、日本の無念さを伝えている。

元豪州代表選手はPKは妥当との見解「これ以上検証すべきものはない」

 それでも同局で解説を務めた元オーストラリア代表選手らは、PKは妥当だったとの見解を示している。元オーストラリア代表FWブルース・ジテ氏は、「主審は正しい判定をしたと思う。これ以上検証すべきものはない」と語った。

 さらに、同じく元オーストラリア代表GKマーク・ボスニッチ氏もジテに同調し、元浦和レッズの同DFネド・ゼリッチ氏は吉田のポジショニングにも問題があったのではと指摘していた。

 VARはアジアカップでは今大会の準々決勝から採用された。ベスト4を懸けたベトナムとの試合では、吉田がヘディングシュートでネットを揺らしたシーンがビデオ判定でハンドとなり、得点が取り消される場面があった。ただし、同じ試合で日本はビデオ判定によるPKを獲得し、FW大迫勇也が成功させていた。得点に関わるシーンでの介入となるため、たびたび議論を呼ぶVARだが、今大会でも注目のトピックとなったことは間違いない。(Football ZONE web編集部)