レンジャーズが「ネット動画」で159キロ左腕を“発見”!?【画像はスクリーンショットです】

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28歳の左腕がマイナー契約を結んだのは「ネット上で拡散した動画のおかげ」

 レンジャーズが、ネットに拡散した投球動画で99マイル(約159キロ)を投げる左腕を“発見”し、マイナー契約を結んだことが話題となっている。獲得したのは、28歳のクリス・ナン投手。かつてパドレスなどに在籍していた左腕と契約に至った珍しい経緯について、MLB公式サイトが特集を組んでいる。

 記事では、ナンがレンジャーズのキャンプに参加する事実を紹介した上で、それは「ネット上で拡散した動画のおかげ」と言及。本人の「耐え抜いて、決して諦めなかったことに感謝しているよ」というコメントも紹介している。

 では、どのように契約に至ったのか。

 ナンは2012年のドラフト24巡目でパドレスに入団。2Aまで昇格したが、「腰の怪我により何年もメカニックを狂わせてしまった」ことが原因で2016年のスプリングトレーニング後にパドレスを退団したという。そして、同年は大学の修士号を取得しようとしたり、モデルの仕事をしていたと同サイトは紹介している。

 2017年にはブルワーズとマイナー契約を結び、“球界復帰”を果たしたが、メジャー昇格の芽がないため自ら退団を要求してカブスへ。同年は2Aでプレーし、翌2018年はアストロズで3Aのマウンドも経験した。しかし、3Aでは7試合で防御率13.50と結果を残すことができずにオフに解雇。そんな左腕をネット上の動画で“発見”したのが、レンジャーズだった。

ツイッターアカウントの「Flatground」に投稿された動画を見たレンジャーズが…

 MLB公式サイトによると、「Flatground」というツイッターアカウントが大きな役割を果たしたという。「PitchingNinja」という有名なアカウントを持つ投手指導者のロブ・フリードマンさんが今年新たに立ち上げたアカウントで、そこに動画を送れば、ツイッター上に投稿される仕組みとなっている。「Flatground」設立は「(スカウトなどの目に留まらず)埋もれてしまっている選手たちが自由に活用できる場所となり、彼らのトレーニング動画が、(スカウトなどの)関係者たちにまで行き届くこと」が目的で、記事では「その機会を利用した一人がナンであり、この最近の投球練習が関係者の注目を集めた」としている。

「Flatground」には、ナンの投球を真後ろから撮影した動画があがっているが、左腕から97マイル(約156キロ)の伸びのある直球を次々と投げ込んでいる。また、違うツイッターアカウントではナンが99マイルを投げる動画もある。ナンはオフに無所属となっていたが、レンジャーズがこれらの映像を見て動いたというのだ。

レンジャーズはその動画を見て、ナンの投球を見るためにアマチュアスカウトのデリック・タッカーを送りこんだ。タッカーはとても感銘を覚えたため、3Aナッシュビルで投げられるチャンスと共に、彼と契約するべきだとレンジャーズを説得した」

 記事では、このように説明。ナン本人が「僕の地元のナッシュビルで投げられたら夢がかなうね。もし今年メジャーに昇格できなくても、家族や友達、(昔の)チームメイトたちの前で投げられたら、素晴らしいことだと思う」と話していることを紹介している。

 ツイッター動画がきっかけでマイナー契約を掴み、メジャー昇格を果たせば……。前代未聞のサクセスストーリーとなるだろうか。(Full-Count編集部)