20日、システム障害によるトップの引責辞任で、21日から社長を兼務することに決まった東証の西室会長(撮影:吉川忠行)

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東京証券取引所で続発したシステム障害で鶴島琢夫社長が引責辞任したのを受けて、西室泰三会長は20日、東京都中央区の東証内で記者会見し、21日付で社長に就任し、当面兼務すると発表した。

 西室会長は、就任の理由について「社長のポストを空席にするわけにはいかないので、今回引き受けた」と説明。「従業員全員が『東証を守り、育てていく』という意識を持って、みんなで一緒にやっていくことが一番大事なこと」と述べ、従業員の意識向上や経営体制の見直しなどに意欲を示した。

 また、「東証が変わるための道筋がはっきりつくまでは社長を務める」としながらも、「6カ月間の短期決戦のつもりでやる。成果が上がらなければ途中で辞めることもある」と強調。官僚出身か、民間トップか、東証生え抜きか、注目される後任の社長人事について「国際的な競争力があり、安全で信頼性ある市場を安定的に運営することに、情熱を傾けられる人」が適任とし、東証を含めた証券業界から人選する考えを示唆したが、「それ以外の分野の人も全くゼロではない」と付け加えた。

 今回の人事では、最高情報責任者(CIO)としてIT・システムを担当する執行役員が空席のままとなった。西室会長は、CIOの人選について「日本に数人しかいないといわれており、非常に難しい」とし、「なるべく早くしたいが、質の高い方にお願いすることを優先する」と公募の方針を示した。【了】

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