シェフになりたい夢を持つ小人症の男性、料理学校に入学できず(画像は『Metro 2018年8月27日付「Dwarf ‘banned’ from college cooking course because he would ‘get under peoples’ feet’」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット)

写真拡大

障がいを抱えているからこそ将来の自立は大切だと考え、夢を持って料理学校に通うことを楽しみにしていた小人症の男性。しかし一旦、入学を許可した学校側から今になって「安全性においてリスクがある」と断られ、男性はメディアに不満を訴えた。『Metro』などが伝えている。

英ウスターシャー州に住むルイス・メイクピースさん(18歳)は軟骨無形成症を患っており、身長が116.8cmの小人症だ。しかしルイスさんは幼い頃からイタリア料理が好きで、将来はシェフになりたいという夢を持っていた。そして今年の8月16日、同州にある「Heart of Worcestershire College(ハート・オブ・ウスターシャーカレッジ)」でホスピタリティとケータリングのコースを条件付きで入学を許可され、ルイスさんはそこで学ぶことをとても楽しみにしていた。

イタリア人シェフのジーノ・ダカンポの大ファンであるルイスさんは、料理の腕を磨いて将来はケータリング業界で仕事を得ることを夢見ていた。ところがカレッジ側が急遽、受け入れを拒否してきたのだ。ルイスさんがカレッジの上層部に苦情を訴えると、カレッジ側はルイスさんの身長が低すぎることを理由として挙げ、他の14人の生徒らの足元に混乱を招き、安全面においてリスクが生じる可能性があると言及した。障がいを理由に差別と侮辱を受けて入学を断られたことにショックを受けたルイスさんは、このように話している。

「やる気をくじかれた気持ちでいっぱいです。これまで私は自信を持って学校生活を送ってきました。友人もたくさんいたし、障がいは問題になりませんでした。でも、こんなふうに断られたら自信喪失してしまいます。今後、どうやって仕事を見つけて自立していけばいいのかと思うし、障がい者だからという理由で世間から切り離された気持ちになりました。好きなことをさせてもらえないというのは間違っているし、誰にでも公平に機会が与えられるべきではないでしょうか。私には普通にできることも多いのです。他の生徒の邪魔になるし、安全面においてもリスクがあるなどと言われて侮辱されるのは非常に不愉快です。」

ルイスさんの母親ポーリンさん(56歳)もカレッジのコース指導者に掛け合ったところ、「将来、レストランの厨房に立つことができないなら、息子さんがこのコースに通う意味はない」と言われたという。ポーリンさん曰く、数年前にルイスさんと同じ疾患の男子生徒がいた時には、カレッジ側はキッチンの調理台やコンロの高さを調節した設備を整えたようだ。今回もそうした設備のもとでルイスさんが料理を学ぶことができると思っていたが、カレッジ側から「別のコースを見つけたほうがいい」と告げられたそうだ。ポーリンさんは、このように吐露した。

「カレッジが低めの調理台などを揃えて取り付けるには、7週間ほどかかるそうです。そんな長い期間、待てないというのが本音でしょう。しかも新しい設備が学校に導入されるまでの間、ルイスは自宅でビデオを見るなどして練習することができるとも言いました。ですがそれでもカレッジ側は言い訳ばかりして、NOと言い続けるだけです。あんまりですよ。」

ポーリンさんは息子の夢のために引き続きカレッジに掛け合い続けており、返事を待っているところだ。これに対しカレッジ側は「今は検討中であり、コメントは差し控えたい」としている。

このニュースを知った人からは、「このカレッジの対応は酷いと思う。障がいを差別して拒否するなんて恥もいいところ。ルイスさんの夢がいつか叶うことを願ってるわ」「誰かひとりのために設備を買い揃えるのは確かに費用がかかるけど、数年前に低めのキッチンが設置されたというのなら、今もあるはずでは? なぜルイスさんはそれを使わせてもらえないんだろう」「やる気がある生徒をこんなふうに扱うことは、社会であってはならないと思う。障がいがあるからというのは受け入れ拒否の理由にはならないはず」「もしこのカレッジが受け入れなくても、どこか他のところで入学できるといいね。頑張って!」といった声があがっている。

画像は『Metro 2018年8月27日付「Dwarf ‘banned’ from college cooking course because he would ‘get under peoples’ feet’」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)