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挨拶文やメールを締めくくる結びの言葉には、今後につなげる挨拶、返信を求める文章などさまざまあります。そこで今回は、ビジネスシーンでよく使われる結び言葉の一つ、「ご自愛ください」の正しい使い方をご紹介します。

○■「ご自愛ください」とは?

「自愛」という言葉の意味を調べてみると、「自分を大切にすること」「自分の健康状態に気を付けること」と記載されています。つまり「自愛」とは、自分をいつくしむことですから、「ご自愛ください」は、「あなたの体を大事にしてください」という労わりの言葉になります。

○■正しい使い方と例文

「ご自愛ください」という言葉は、おもに手紙やメールの結びの言葉として用いられます。

「お(ご)〜ください」という定型句は、相手に何かを依頼する際に用いる敬語です。「席をおゆずりください」「ご自由にお取りください」といった表現と同じで、「ご自愛ください」という言葉は、目上の人に対してはもちろんのこと、誰に対しても使える言葉と言えます。

また、「ご自愛ください」の前の部分に、時候を表す言葉や「〜なので」といった理由を入れるのが一般的です。何もなしに「ご自愛ください」と結ぶのは不自然ですので、気を付けましょう。

・厳寒の折、風邪など召されませぬようご自愛ください。

・お忙しいとかと存じますが、ご自愛くださいませ。

また、「何卒」「くれぐれも」「どうぞ」といった言葉を足すと、より丁寧な表現になります。

・体調を崩されませぬよう何卒ご自愛くださいませ。

・風邪が流行っているようですので、くれぐれもご自愛ください。

・厳しい暑さが続きますが、どうぞご自愛ください。

さらに丁寧な言い方をするならば、文末を「〜申し上げます」とすると良いでしょう。「ご自愛ください」だけでも丁寧な表現ですが、「ください」という表現が命令されているように感じる人もいるようです。特段丁寧に接したい相手には、「〜申し上げます」という形で結ぶと良いでしょう。

・寒さ厳しい折、何卒ご自愛のほどお願い申し上げます。

・酷暑の折から、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。

○■「ご自愛ください」の誤った使い方

「お体にご自愛ください」は二重表現

たまに、「お体にご自愛ください」という表現を目にすることがありますが、前述のとおり、「自愛」には「体を大切にする」という意味が含まれていますので、「お体に」を付ける必要はありません。二重表現になってしまいますので、気を付けましょう。

病気の人に使うのはNG

また、「ご自愛ください」には、「今の健康な状態を維持し、体調を崩しませんように」という意味合いが込められていることから、元気な人に対して使う言葉であって、怪我や病気などで体調を崩している人に対して使うべき言葉ではありません。体調が悪い人に対しては、「一日でも早いご回復をお祈りいたします」「どうかお大事になさってください」といった言葉で結ぶと良いでしょう。

「ご自愛ください」という言葉は、相手のことを気遣いながら文章を締めくくることができる素敵な結び言葉です。季節に合った時候の表現とうまく組み合わせて、正しく使ってみましょう。