さまざまな幾何学模様で作ったシートの機械特性をはじき出す研究を、ディズニーの研究部門であるDisney Researchとモントリオール大学やコーネル大学の研究者が共同で行っています。

Mechanical Characterization of Structured Sheet Materials - Disney Research

https://www.disneyresearch.com/publication/structured-sheet-materials/

さまざまな模様の機械特性と美的感覚は密接にリンクしているということで、幾何学模様が「どのような変形挙動をとるか」と「数値的均一化によりどのような柔軟特性を持つことになるのか」の間にどのようなつながりを持っているのかを、研究者たちが調査しています。

研究チームは面内変形と曲げ変形の両方で起きる非線形効果を調べるために、3Dキルヒホフロッドシミュレーションを活用したとのことです。

研究内容を視覚的にわかりやすく説明しているのが以下のムービーです。

Mechanical Characterization of Structured Sheet Materials - YouTube

歪な六角形を……



3つ並べてひとつの模様とし……



これをタイル状に並べた幾何学模様。



これをゴム系素材のシートにすると、伸ばしに強かったり曲げに強かったりと、さまざまな機械特性を持ちます。





もちろん模様が変われば……



シートの持つ機械特性も変化します。例えば無機質で個性の出しづらい「フェンス」のようなものに幾何学模様を応用すれば、既存の形状よりも頑丈かつ見た目も美しいものが作り出せるようになるかもしれません。そんなわけで、研究では幾何学模様の持つ機械特性について調査が行われています。



「機械特性」



まずは幾何学模様のもつ機械特性を数値で示します。



模様の持つ機械特性はヤング率・ポアソン比・曲げ剛性の3つで示され、それぞれ以下の画像の右端にある円形グラフで示されています。



模様が変わると機械特性が変わることは数値上からもしっかり確認できます。





「構造調査」



幾何学模様ごとに機械特性はさまざま。





これをマップ化するとこんな感じ。例えば「曲げに強い構造」などを一発で表示可能です。



さらに、実際に幾何学模様を持つシートを作成して伸ばしたり曲げたりのテストも行われています。







「構造の最適化」



以下の幾何学模様の場合、ヤング率は青色の線で表示された通りになっています。これを赤色点線部分に沿わせることで最適化することが可能で、ヤング率が最適化した場合に幾何学模様がどのような変化を遂げるかもチェックできます。



平行四辺形が組み合わさるように作られていた模様は、横長の六角形が組み合わさるようにして作り上げられる模様に変身しました。



似たような形状を最適化。似ているものの同じ形になるというわけではない、というのがポイントです。