スマホ契約から不法在留まで「本人確認」は欠かせない時代になった! 画像の本人判定システムを提供するDNPに現状を聞く

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スマホでの電子決済、オンラインバンクなど、スマホでお金を扱うケースは確実に増えてきている。
こうした電子決済や銀行のオンライン口座などの開設や利用で必要になるのが「本人確認」だ。

Webサービスなどでも、本人確認には、本人を証明する書類や画像データを提出する必要がある。
本人確認には、
・運転免許証
・パスポート
・年金手帳
・健康保険証
などを、用意して、提示するか、コピーを提出する。
不要な物を売る際にも本人確認は必要で、これは「古物営業法」という法律によって定められている。

本人確認は、利用者にとっては面倒な手続きではあるが、犯罪を未然に防ぐためには必要不可欠だ。
たとえば、宝石を売りに来た人がいたとしよう。その宝石が窃盗品であったら、買い取ったお店は犯罪に手を貸したことになるからだ。

スマホの転売も同じだ。
本人でない人が携帯事業者からスマホを分割払いで購入して中古店に売ったとしよう。
本人確認しないで転売を許せば、携帯事業者は代金を回収できなくなってしまう。

こうした犯罪防止のためにも本人確認は必要不可欠なわけだ。
しかし店舗側がどうやって厳格な本人確認をすればよいか知らない人も多い。

そこで今回は、本人確認のシステムを様々な企業に提供している、株式会社DNPアイディーシステムに取材させていただいた。


■エビデンスまで対応した本人確認システム


本人確認について語る、株式会社DNPアイディーシステム企画技術本部加藤優一氏。

株式会社DNPアイディーシステムは長年、ID発行と、その確認システムを専門に扱ってきた会社だ。
加藤氏は受付時の本人確認業務を支援する商品を企画する部署に所属しており、今回、快く取材に応じていただいた。

同社が提供する「ID確認システムPRO」は、受付時の窓口業務で使われるもので、
・犯罪収益移転防止法に関連した業界(主に金融機関、土地取引にかかわる不動産業界・司法書士)
・それ以外、本人確認が必要な業界
などで使われることを想定した商品だ。

加藤氏
「窓口業務で本人確認する現場では、運転免許証が提示されるケースがほとんどなので、運転免許証の確認に重きを置いております。」

「ID確認システムPRO」は、
・運転免許証
・パスポート
・マイナンバーカード
・在留カード
・特別永住者証明書
・運転経歴証明書
・住民基本台帳カード
など、本人確認が可能な各種書類をサポートしている。
ちなみに運転経歴証明書は、高齢者が運転免許証を返納したときに、身分証明書となるものだ。

犯罪収益移転防止法以外としては、たとえば、通信業が本人確認を義務付けられており、大手携帯キャリアをはじめとする携帯事業者が該当する。携帯電話のキャリアの中には、全店舗に本人確認の仕組みを導入しているところもある。

本人確認が実施されると、エビデンスとして確認の記録を印刷することができるのも、同システムの大きな特徴だ。
これは業界ごとの法律によって、確認した記録を一定の期間、保存することが義務付けられているためである。



※書類の画像はイメージです。
エビデンスとして確認の記録を印刷することができる。


■暗証番号入力なしで確からしさを判定できる理由
加藤氏
「運転免許証は暗証番号を入れると、ICチップから券面記載情報と同じ情報を読み出すことができるので、それらを目視確認することで、本人確認を簡単にできますが、暗証番号をお忘れになっている方がほとんどなので、なかなか使いにくいです。そのため、暗証番号の入力なしで、スキャン画像とICの暗証番号なしで取得できる情報から運転免許証の確からしさを判定できるところが、我々の最大の強みです。」

確かに運転免許証を発行してもらった際、8桁の暗証番号を登録した記憶がある。
かくいう筆者もそうだが、暗証番号を忘れている人は多いだろう。
そういう人が多いことから、暗証番号入力なしで本人を判定できるシステムを提供しているわけだ。


運転免許証をIDドキュメントリーダーに挿入すれば、画像とICチップの情報を読み込むことができる。

ここで、気になることは、「スキャン(画像と暗証番号なしのIC)情報だけで、本当に正しく判定できるのか?」だ。

加藤氏
「本物が何たるか、偽物はどのようにして作られているかを独自に調査・分析することで画像処理技術を開発し、スキャン画像とIC情報(暗証番号なし)による確からしさの判定をしています。」

テレビドラマや映画で見られるようなデータベースでの照会は、行っていないが、本物であることは正確に判定できる技術を持っているそう。長年、ID発行・本人確認のシステムを専門に扱っていた会社だからこそとのこと。


運転免許証をスキャンした様子。
※画像はイメージです。


■偽物から本物へ!偽造のトラブル 
それにしても、「スキャンした画像等で本人確認書類の確からしさ判定できる」というのは、実に意外な話だ。

しかし、それで偽造はされないのだろうか?

加藤氏
「ニュースや新聞記事で掲載されている通り、偽造はあります。住基カード(住民基本台帳カード)の時代から、偽物の運転免許証で住基カードの申請を行い、本物の住基カードが発行されて、それを使って携帯電話を不正契約したり、銀行口座の不正開設が懸念されてきました。そういうことから、弊社のIDソリューションの技術やシステムを自治体様や携帯ショップ様など本人確認のシーンで使っていただいております。」

やはり偽造されるケースは多く、そうした偽造対策に同社のシステムが役立っているわけだ。

携帯電話の販売店では、携帯電話を新規契約した後、その携帯電話を転売されてしまうことがある。
そうなると、店舗の実損が出てしまう。
社会的にも犯罪に使われる可能性があるため、本人確認は必須というわけだ。


本人確認書類の偽造について話す、加藤氏。


外国人就労などの本人確認では、在留カードで確認する必要があるが、その場合にも同社のシステムが利用されているという。

加藤氏
「在留カードの偽造は昨今巧妙化しており、窓口の方では判別が難しいことが多いので、ICの中身とカード券面の情報に差異がないかを見ることで、確実に本人を確認するようにしています。」

外国人の中には、携帯電話を転売する目的で、偽造の在留カードを店舗に持ち込むケースも多いそう。
そういう意味で同社のシステムは、携帯電話の業界との親和性は高い。

不法在留の問題でも、同社のシステムは活躍している。

加藤氏
「携帯電話のシーン以外ですと、働くというところで、外国人の方の派遣を仲介する際に、こういうツールをお使いいただいています。最近は、不法就労が多いということで、使われはじめています。」


※画面はイメージです
偽造が疑わしい本人確認証では、画面が赤くなり疑わしい部分が強調して表示される。

社会背景としても、たとえば介護職のように、昨今、外国人向けの職種が緩和されつつある。犯罪を未然に防ぐためにも、同社システムの重要度はさらに高くなってくるだろう。

犯罪を未然に防ぐために必要不可欠なシステムであるだけに、同社の今後の展開に注目していきたい。

ID確認システムPRO
株式会社DNPアイディーシステム
ITライフハック 関口哲司