日本の集団性と公平性を重視する教育と、中国の個人を重視し、競争させることで優れた生徒を表彰する教育は真逆の方向性だ。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 急激な経済成長に伴い、中国では子どもの教育に対する関心が高まり続けているが、中国人から見て日本の教育には学ぶべき点も多いようだ。中国メディアの快資訊はこのほど、日本の離島に存在する小学校を取り上げ、その教育風景を紹介する記事を掲載した。

 中国には将来国を担う子どもたちに対して「どれだけ貧しくても、子どもには良い教育を与えるべき」という考え方があるものの、やはり良い教育を与えるには経済的な豊かさが不可欠であり、実践するのは難しいという現実がある。

 しかし記事は、日本では農村部や人口の少ない地域でも子どもたちに良質な教育が提供されていると紹介し、琵琶湖の「沖島」を取り上げた。この島は日本で唯一、淡水湖に存在する有人島であり、住人は決して多くはないが、島には100年を優に超える歴史を持つ小学校もあり、地元の人は皆その小学校の卒業生だと紹介した。

 続けて、離島にある学校だからといって、日本では設備が立ち遅れているようなことはないと伝え、教室には電子黒板や大型テレビがあり、体育館、運動場、プール、実験室、音楽室、図書室、菜園などがあって、ピアノや天体望遠鏡など備品も整っていると指摘した。

 中国ではもっと生徒数が多くてもこうした設備がない学校も存在するゆえに、「生徒が少ないのにこうした設備は無駄使い」のようにも感じられるとする一方、「日本では教育法に基づき、公立学校の設備は全国で統一されている」と紹介。だからこそ「生徒の人数で設備が省略されることはない」と主張した。

 日本の集団性と公平性を重視する教育と、中国の個人を重視し、競争させることで優れた生徒を表彰する教育は真逆の方向性だが、「それぞれにメリットとデメリットがある」と指摘。だが、日本のような公平な教育は中国も学ぶべきであると伝え、「もし、中国の農村部の子どもが北京市内の学校のように現代化された教室で学べるようになれば、公平な教育が実現したと言えるだろう」と結んだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)