日本では現在、「再生可能エネルギー」が注目されていて、日本政府も2030年までに風力、地熱、潮力、バイオマス等による発電を2010年の6倍以上にする目標を掲げている。(イメージ写真提供:123RF)

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 国土が大きく、人口大国の中国では畜産業の規模も極めて大きい。中国の豚飼養頭数は世界第1位であるほか、鶏肉生産量では米国、ブラジルに次ぐ世界3位の規模となっている。

 動物を飼育するということは餌を食べさせ、糞尿の処理をする必要が生じるが、中国メディアの市場信息はこのほど、「日本の一部の養鶏場では鶏糞を利用して発電し、その電気を販売している」と紹介し、家畜の糞尿という産業廃棄物すらお金に変えていることを驚きと共に伝えた。

 記事はまず、2011年に発生した東日本大震災と福島原発事故をきっかけに、日本ではクリーンなエネルギーが一層注目されるようになったと伝え、岩手県の大規模養鶏場が鶏糞を利用した発電に成功し、2016年に総工費65億円を投じて「バイオマス発電所」を建設したことを紹介。続けて、同発電所は鶏糞で発電した電力を売却して利益を得ていると伝え、「もともとはお金を支払って処理していた産業廃棄物であった鶏糞が、今では貴重な資源になった」と伝え、これは「非常な驚き」であると論じた。

 続けて、日本では現在、「再生可能エネルギー」が注目されていて、日本政府も2030年までに風力、地熱、潮力、バイオマス等による発電を2010年の6倍以上にする目標を掲げていることを紹介し、今後は再生可能エネルギーの分野でさらなる技術の向上が期待できると伝えた。

 経済が急激に発展している中国では、エネルギーの確保が安全保障にも関わる重要な課題となっている。もともと畜産業の規模も大きく、エネルギー需要もあるだけに、中国でも今後はバイオマス発電が普及していくことが予想される。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)