【動画】バッテリー交換前と交換後のiPhone 6s動作を比較。低速化機能による差が目に見えるかたちに
「バッテリーが劣化したiPhoneが意図的に低速化されていた」事実は発覚して以来、各国での訴訟騒ぎやバッテリー交換の大幅値下げなど数々の波紋を巻き起こしてきました。

では、どれだけ低速化されていたのか? それをユーザーが実証してみた動画が公開されました。

Benett Sorbo氏がYouTubeに公開した動画は、バッテリー交換前のiPhone 6sと交換した後のデバイスの挙動を比べてみる内容です。「なんとなく」ではなく、実際に視認できるレベルでの動作の違いが示されています。

この動画で注目すべきは、2つの異なる端末を比較しているのではなく、Sorbo氏が2年使用した同じiPhone 6sを、バッテリーの交換前後に時間差で撮影している点です。

つまり、純粋に「劣化したバッテリーと新品のバッテリー」による挙動の違いが可視化されていることになります。

ビデオでは、左側がバッテリー交換前で、右側が交換後ということで、Safariでのブラウジングをはじめとした様々なアプリを起動して動作を比較しています。

Webページの読み込みなどの基本的なタスクでは差は控えめではある一方で、グラフィック処理を伴う重い処理では差が顕著に。アップルがいう「予期しないシャットダウンを防ぐため、ピーク負荷時の電力管理を向上」が目に見える形で実証されています。


最後にGeekbenchによるベンチマークでは、バッテリー交換前はシングルコアが1437でマルチコアが2485に対して、交換後はそれぞれ2520と4412となっています。

バッテリー交換前後で圧倒的な差が付いているものの、ベンチマークは一般にピーク負荷テストも含んでいるもの。「ピーク負荷でのシャットダウンを防ぐ」電力管理ソフトウェアの下ではことさら不利に働くと思われ、過大に受け取るのは禁物でしょう。

なお、Sorbe氏は交換したバッテリーがアップル純正かサードパーティ製かには触れていませんが、「交換に一ヶ月は待った」と述べており、おそらく純正品と考えられます。

現在、開発者向けに公開されているiOS 11.3ベータ版では「Battery Health」機能が追加され、その中にはバッテリーの管理機能=ピーク時の低速化を無効にすることも可能となっています。

iOS 11.3が正式にリリースされた際には、バッテリーが劣化した一台のiPhoneで「管理機能オン」と「管理機能オフ」のパフォーマンスも検証すべきかもしれません。