マンチェスター・C撃破に大貢献をしたマネ。攻守に渡るそのパフォーマンスは日本代表にとっても要警戒な存在だ。 (C) Getty Images

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 その瞬間、時が止まったように感じられるほどの圧巻のスーパーゴールだった。
 
 現地1月14日、プレミアリーグ23節で、リバプールはマンチェスター・シティに4-3と勝利。首位チームに今シーズン初の黒星をつけた。
 
 アンフィールドに歓喜をもたらすスーパーゴールを突き刺したのは、リバプールのセネガル代表FWのサディオ・マネだ。チームが2-1とリードした61分に鮮烈な一撃を見舞う。
 
 敵ゴール前でモハメド・サラーからのボールを受けたマネは、落ち着いたトラップでボールを足下につけると、左足で強烈なシュートを放つ。この凄まじい勢いのボールは正面に立ったジョン・ストーンズの横をすり抜け、針の穴を通すようにゴール左上へと突き刺さった。
 
 決して大きくはないシュートモーションから放たれた強烈なシュートに、マンチェスター・Cの面々はうなだれるしかなく、その相手守備陣の表情がゴールの凄みを何よりも物語っていた。
 
 この日のマネは、試合終了間際の94分にベンチへ下がるまで、攻守両面で出色のパフォーマンスを披露した。前半は自慢の走力を活かすスペースを消され、躍動感が鳴りを潜めたが、得点を挙げた後半はワンタッチパスで相手守備陣を翻弄すれば、自陣ゴール前までプレスバックしてマンチェスター・Cの攻撃陣を食い止めてもいた。
 
 そんなマネを現地メディアは高く評価している。試合後、地元紙『Liverpool Echo』は、ゴールシーンについて次のように褒めちぎった。
 
「マネは雷撃のような一撃を決めた。それこそ前半はいなかったかもしれないが、後半には絶品のシーズン9点目を撃ち込んだ」
 
 セネガル代表でも攻撃の絶対軸として君臨するマネは、同代表が今年6月に開催されるロシア・ワールドカップのグループリーグ2節で日本代表と激突するだけに、言うまでもなく注意したい存在だ。
 
 リバプールでは、主に左サイドを務めているマネだが、セネガル代表では右サイドを主戦場としているため、マッチアップが想定される左SBの長友佑都か酒井高徳は、彼に仕事をさせないために徹底したマーキングが必至となる。
 
 マネの最大の武器は身体能力を利した高速ドリブルだが、攻撃が手詰まりになった時には自陣に下がって繋ぎ役となり、周囲を活かすプレーをするなど、器用さも兼ね合わせている。また少しでもコースがあると見るや、マンチェスター・C戦のように強烈なシュートを積極的に撃ってくることもあり、フリースペースを与えないことがハリルジャパン勝利の鍵となりそうだ。
 
 クロップ・リバプールで好調さを維持しているマネは、ワールドカップまでコンディションを保ち続けるのだろうか。引き続きそのプレーに注目したい。