羽生結弦【写真:Getty Images】

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NYタイムズ紙は「史上最高のスケーター」「氷上のマイケル・ジャクソン」と表現

 フィギュアスケートの羽生結弦(ANA)は右足首の負傷により、グランプリ(GP)ファイナル、全日本選手権を欠場する苦しい決断を強いられたが、平昌五輪の代表メンバーに選出された。4年に一度の祭典の開幕を1か月後に控え、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が66年ぶりの連覇を狙うソチ五輪王者を特集。GPシリーズのNHK杯欠場で落胆に包まれたファンにとって「彼は私を導く光」と心の支えになっていることを紹介した。

 ソチ五輪金メダリストには、世界も熱い視線を送っている。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、「史上最高のスケーターは、くまのプーさんに囲まれた氷上のマイケル・ジャクソン」と見出しを打って羽生をフォーカス。羽生の演技後にはディズニーキャラクター「くまのプーさん」のぬいぐるみが投げ込まれてリンクが黄色く染まるなどプーさんが代名詞となっていることに触れつつ、20年以上フィギュア界に携わってきたジャッキー・ウォン記者が、羽生の演技を全盛期のマイケル・ジャクソンになぞらえて表現したことなどを伝えている。

 羽生は昨年10月のGPシリーズ初戦でネイサン・チェン(米国)に次ぐ2位。続いて予定していた11月のNHK杯の前日練習中に右足首を負傷して大会を棄権した。12月のGPファイナル、全日本選手権も欠場を余儀なくされ、氷上での練習再開まで時間を要したことに言及した上で、平昌五輪に向けた不安についても触れている。

中国から日本へ引っ越すファンも…「なぜなら、ここが彼の母国だからよ」

 一方、記事では熱狂的なファンの声も紹介している。

 大阪国際空港に勤務する中国出身の28歳女性は、羽生を応援するために昨年7月に母国から日本へ引っ越し。羽生が大ファンであるプーさんのキーチェーンを財布につけているという彼女は、なぜ異国の地まで足を運んだかに関して、「なぜなら、ここが彼の母国だからよ。なんで彼があんなにも完璧な人間になったのか、その理由が分かるかもしれない」と話したという。

 また記事では、神戸の「弓弦羽神社」を多くのファンが訪れていることにも触れている。

「ファンたちは電車に乗って、神戸の神社に祈願のため参拝に訪れている。なぜなら、この神社の名前は、ユヅルハ神社と言い、ハニュウの名前を彷彿とさせるからだ。ファンが彼への思いを絵馬に書くための場所として、人気の地となった。数百の絵馬が神社にはある」

 なかでも、中国出身の18歳学生は、羽生の存在が困難を感じる瞬間に支えになってきたと語ったという。

「彼は私を導く光なの」

 66年ぶりの連覇が懸かる平昌のリンクで復活を遂げ、最高の笑顔が輝くことを日本のみならず、世界中のファンが願っている。(THE ANSWER編集部)