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『RISE 121』
▽23日 東京・TDCホール 観衆 2,400人(超満員札止め)

 キックボクシングイベントRISEが、『RISE121 DEAD OR ALIVE 2017 トーナメント 57kg』をTDCホールで開催した。

 RISEは“神童”那須川天心が主戦場にしているリングのひとつで、RISEバンタム級王座を保持している。今大会では76戦73勝3敗という戦績を残し、20本以上のタイトルを獲得した経歴を持つ“南米の強豪”イグナシオ・カプロンチ(アルゼンチン)を相手に、同王座の防衛戦が予定されていたが、イグナシオは、当日の計量でも規定の体重をパスできず。コミッショナー、審判団、那須川サイドが協議した結果、3分5ラウンド延長1ラウンドのノンタイトルマッチとして、試合を決行することとなった。さらに、イグナシオには、計量オーバーのペナルティとして減点1とグローブハンデを与えることに。

 天心は1ラウンドからキック、パンチで圧倒すると、2回に右ボディでダウンを奪う。これで心が折れたと察した天心は3ラウンド、左ボディで再びダウンを奪うと、胴回し回転蹴り(プロレスの浴びせ蹴りに近いもの)を見事にヒットさせて、頭部に左ヒザ蹴りをブチ込んだ時点で勝負あり。3ラウンド1分15秒KOで天心が勝利を収め、デビューから続いている連勝記録を26に塗り替えた。

 試合後、リング上でマイクを掴んだ天心は「イグナシオ選手、体重をオーバーして、プロとしてどうかなと思ったんですけど(場内爆笑)、本当に強い選手だと思いました。また、ベストなときに、僕がアルゼンチンに行って試合してもいいなと思ってます(場内大歓声)。TDCホールのたくさんのお客さんの中で勝てて嬉しいです。今回タイトルマッチにならなかったんですけど、このRISEバンタム級のベルトは、僕が16歳の時に初めて持ったベルトで、もう3年近く持ってます。僕はいくらベルトが出来ても、このベルト1本だけでいいと思ってます。世界最強の55kgの選手がRISEにいるということを、これからも勝ち続けて証明していきます。それとDoAトーナメントの優勝者! 是非、俺と闘いましょう!(場内大歓声)体重は57kgですけど、全然問題ないんで待ってます。あと、年末また試合があると思うので、テレビの前や会場で、インパクトのある素晴らしい試合をしたいと思ってますので、みなさん応援しに来てください」と超満員の観客にアピールした。

 天心が優勝者と対戦したいとアピールした、10年ぶりに開催されたワンデイトーナメント『DEAD OR ALIVE(DoA)トーナメント』(8選手参加)は、1回戦で宮崎就斗、準決勝では優勝候補筆頭だった森本“狂犬”義久を下したMOMOTAROと、1回戦で原口健飛、準決勝でこちらも優勝候補だった工藤政英を下した内藤大樹が決勝で対決。両選手ともにこの日3試合目だったが、疲れを感じさせないフットワークを見せて1ラウンド、2ラウンドはお互いの様子を見るかのような攻防を繰り広げる。最終ラウンドは内藤のパンチが的確に顔面を捉えてMOMOTAROが鼻血を流す。そのまま試合が終了し、判定はジャッジ1人が内藤を支持も、2人がドローで延長へ。しかし、この流れは変えられず、内藤が右ストレートで2度のダウンを奪ったところで、レフェリーが試合を止め、延長4ラウンド0分56秒KOで内藤が見事初優勝。マイクを掴んだ内藤は「シュートボクシングの強さを見せることができました。でも、まだやらなきゃいけない相手がいるので、そこを目指して頑張ります」と語り、2年前に敗れている天心との再戦を暗に匂わせた。

 昨年末に天心が火をつける形で、大いに盛り上がった2017年の格闘技界。今回の大会もチケットは完売した。この波は12.10KNOCK OUT両国国技館大会、そして12.29&31RIZINさいたまスーパーアリーナ大会といった年末の格闘技界のビッグマッチに向かってさらに加速していく。