J1ラスト3節、川崎敗戦で“試合なし”鹿島の連覇決定 新潟&大宮“W降格”の可能性も…

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前倒しで試合消化の鹿島 2位川崎がG大阪に敗れれば2試合を残して優勝決定

 浦和レッズのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝が大きな話題になるなか、18日は佳境を迎えているJ1リーグ第32節のゲームが行われる。

 そして、結果次第では鹿島アントラーズが異例の“試合なし優勝”を決め、連覇を達成する可能性がある。

 18日開催のJ1第32節の全8試合は以下の通りだ。

仙台 vs 大宮(14:00・ユアスタ)

柏 vs 磐田(14:00・柏)

川崎 vs G大阪(14:00・等々力)

横浜FM vs C大阪(14:00・日産ス)

新潟 vs 甲府(14:00・デンカS)

神戸 vs 広島(14:00・神戸ユ)

鳥栖 vs FC東京(14:00・ベアスタ)

清水 vs 札幌(15:00・アイスタ)

 この第32節は前述のACL決勝の影響で、鹿島対浦和の試合のみ5日に前倒しで行われ、鹿島が1-0で勝利した。これにより、鹿島の勝ち点は70まで上昇。ラスト3試合で勝ち点7差の2位川崎フロンターレにとっては“崖っぷち”の状況となった。

 その川崎は今節、ホームにガンバ大阪を迎える。G大阪は現在10位に沈んでいるが、地力のあるチームであることは間違いない。また、川崎は4日のルヴァン杯決勝でセレッソ大阪に0-2と敗れた精神的なショックからどれだけ立ち直ることができているのかが大きな鍵となる。この試合で川崎が敗れると、鹿島は試合のない日に優勝が決まるという異例の事態になる。川崎としては勝利を収めて、逆転優勝へなんとか可能性をつなげたいゲームだ。

ACL出場権を争う4チームが激突

 優勝争いが2チームに絞られた一方で、上位にとってのポイントは来季のACL出場権だ。3位以内のチームが権利を得るが、その争いは4チームによる混戦状態にある。そして、その4チームが互いに潰し合う大注目の2カードが組まれた。

 勝ち点57で3位のC大阪は、同55の5位横浜F・マリノスのホームに乗り込む。C大阪から見れば勝てばライバルを一つ蹴落とすことになり、横浜FMから見れば勝利で順位が逆転するため熱戦が予想される。C大阪はルヴァン杯の優勝で勢いに乗るが、MF山口蛍とFW杉本健勇が日本代表の欧州遠征明けであり、コンディションに不安を残す。引き分けでは後述の2チームに漁夫の利を得られる可能性が高く、互いに勝ち点3を求める白熱のゲームになるだろう。

 もう一つの直接対決は、同55で4位の柏レイソルが同54で6位のジュビロ磐田をホームに迎える一戦だ。柏は勝利すれば3位に浮上する可能性があり、磐田は勝っても今節終了時は最高でも4位だが、敗れたチームが大きく後退する事情は変わらない。約3週間の空白期間を経ての一戦だけに、コンディショニングと試合勘の維持にどれだけ成功したか、準備面での差がピッチに表れる可能性が高い。

 一方で、残留争いは今節に2チームの降格が決まる可能性を秘めている。まず、勝ち点19で最下位のアルビレックス新潟は、ホームに迎え撃つ同28で15位のヴァンフォーレ甲府戦での勝利が奇跡の残留への絶対条件。引き分け以下になった場合は、その時点で降格が決まる。

石井新監督が就任した大宮も“崖っぷち”

 また、同24で17位の大宮アルディージャは、ベガルタ仙台とのアウェーゲームに臨む。大宮がこのゲームに敗れた時に甲府が勝利すると、両チームの勝ち点差が残り2試合で「7」となり、大宮が15位以上になる可能性が消滅して降格となる。この中断期間に、今季途中まで鹿島を率いた石井正忠監督が電撃就任しているが、初陣から崖っぷちの一戦ということになる。

 同27で16位のサンフレッチェ広島は、敵地でヴィッセル神戸と対戦する。広島は今節で降格が決まる事態は訪れないが、是が非でも勝ち点3が欲しいのは間違いない。中位で消化ゲーム状態にある神戸に対し、モチベーションの部分で大きく上回りたいところだ。

 得点王争いは、20ゴールで首位を走る浦和のFW興梠慎三が鹿島戦でノーゴールに終わってACLに向かっている。19ゴールで並ぶC大阪の杉本と川崎のFW小林悠にとっては、一気に並びかけるチャンスが到来している。いずれも上位を争っているだけにマークが厳しくなるのは間違いないが、ゴールハンターらしく千載一遇のチャンスを生かしたいところだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web