(左)カレンソロジー、(右)カオス

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 アダストリアが今年3月に設立した新会社エレメントルールが来春、ウィメンズ2ブランド「カレンソロジー(Curensology)」と「カオス(Chaos)」を始動する。2018年3月に青山エリアに1店舗ずつ路面店を構えるほか、新宿と名古屋の商業施設内に順次出店。同時期に直営のECサイトもオープンする予定で、初年度は2ブランド合わせて売上15億円を目指す。
 カレンソロジーのキーワードは"旅"。30〜40代をコアターゲットに、旅を通してその土地の文化や歴史を知り感性を磨く、知的でエレガントな女性のためのワードローブとスタイルを提案する。オリジナル7割、国内外ブランドのセレクト3割で商品を構成し、オリジナルは「カレンソロジー」「&RC(RETAINING CHARACTOR)」「5AWARENESS」の3カテゴリーを展開する。
 「カレンソロジー」はオリジナルテキスタイルを使用したワンピースをメインにラインナップ。今シーズンのテーマは「旅する植物」で、3月はパリのフラワーマーケットにあるようなユーカリ色、4月はNYのパークアベニューにあるチューリップをイメージしたリバティプリントなど、月毎に世界の植物の要素を差し込む。「&RC」はデニムやカーゴパンツ、ポケッタブルなレインコートなど素材の経年変化を楽しめるアイテムをそろえ、「5AWARENESS」では水着やラウンジウエア、Tシャツ、タンクトップといった旅行や日常着にも取り入れられるアイテムを肌触りがよく透け感のある素材をメインに展開する。想定客単価は2万円。 
 一方、カオスは女性の二面性に着目し、マスキュリンとフェミニン、新品とビンテージといった相反するものを組み合わせてシンプルにカテゴライズされないスタイルを提案する。40代をコアに30〜50代をターゲットに据え、カレンソロジーと同様にオリジナル7割、国内外ブランドのセレクト3割で商品を構成。オリジナルは「Gentlemen Lady」「Chic Rudeness」「Confusion Silence」の3カテゴリーで展開する。メンズの仕立て屋で製作したアイコニックなジャケットをはじめとするシックなアイテムに、フェミニンなレースアイテムやミリタリーアイテムをミックスして提案。客単価は2万5,000円を想定している。
 2ブランドのコンセプトは異なるが、路面店の出店エリアや価格帯など共通点もある。2ブランドに分けた理由について、小松粼睦エレメントルール代表取締役社長は「大型店をやろうと思えば1つのブランドに集約する形もあったと思うが、今の時代はウィメンズ単体で大箱のお店をやるよりも、小さい店舗の中で凝縮させた方がターゲットも明確になりやすい。そういう意味では2ブランドでイメージ像を分けた方がいい」と説明した。エレメントルールは今後、M&Aも検討しながらブランド開発に取り組み、2025年に売上500億円を目指す。