飢餓感を募らせる植田直通の欲望は満たされるか
![植田直通(撮影:Noriko NAGANO)](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/e/4/e43b349b9067001a007c8d8dadd96099-m.jpg)
アジアカップでは出番はなかったものの、植田はその後のU-23日本代表でも活躍し、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が就任したあとも度々合宿に呼ばれ続ける。
ところが、日本代表での出番はまだない。それどころか9月のワールドカップ予選は「自分もチャンスがほしいという気持ちがあるし、『この大舞台でやってやる』という気持ちもあります」と意気込んでいたものの、ベンチ外という辛い思いも味わった。2年9カ月、ずっとピッチの中で走り続ける選手たちを、植田は見つめるだけだった。
ワールドカップ出場を決め、監督が「あまり出ていなかった選手たちに機会を与えたい」と位置づけた今回の試合で植田の出番はあるか。呼ばれても使われない状況が続いたので、自分のプレーに迷いは生じていないのだろうか。
「自分は思いっきり行くタイプなので、どんどん行きたいと思います」
言葉に一点の曇りもなく、植田は言い切った。
「(組んだ選手と)合う、合わないのはやってみないとわからないので、僕が消極的になっても仕方がないので。僕は行ってこそだと思いますから、そこは物怖じせずにやっていきたいと思います」
いつも落ち着いたトーンで語る植田なので、単に向こう見ずなのではない。これまでの経験を踏まえつつ、未来を想像していた。
「高校のときからいろいろなアジアのチームと試合をして、去年もクラブワールドカップに出たりしたのですが、それでもワールドカップは別物だと思います。もっと厳しさがあると思うので、また違う準備、気持ちの持ち方をしなければいけないと思っています」
フィジカルが強いニュージーランド戦に出たいのではないか、という質問に、植田は「2試合とも出たいです」と即答した。この飢餓感を募らせている若武者の出番は、今回こそ与えられるべきだろう。
【日本蹴球合同会社/森雅史】