42分に交代を命じられた中村。その後、チームは逆転負けした。(C)SOCCER DIGEST

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[ACL 準々決勝 2nd-leg] 浦和 4-1 川崎/9月13日(水)/埼玉
 
「あの退場がすべてだったのかなと思います」
 
 中村憲剛が試合後に振り返る“あの退場”とは、38分に左SBの車屋紳太郎がレッドカードを提示された場面だ。競り合いの際に振り上げた足が興梠慎三の顔に入ったというサウジアラビア人主審の判定で“一発レッド”、ピッチを去るように命じられた。
 
 スコアは1-1。ただ、川崎は第1戦を3-1で制しているだけにまだ余裕がある。ベンチは、守備のバランスを整えようと、本来は中盤の選手ながら両SBもこなせる田坂祐介の投入を準備した。誰に代えるのか――。スタジアムの注目が集まったなか、交代カードに示された数字は「14」。一瞬、会場に驚きの色が広がった。この後、川崎は1-4と逆転を許し、2戦合計4-5で敗退が決まった。
 
「監督の判断なので仕方ないです。あれで守り切れていたら別に問題はなかった。すべては結果論。ただ、自分がいなくなってからああいう展開になったのは無念としか言いようがないです」
 
 試合後には悔しさを押し殺すように言葉を口にする中村の姿があった。
 
「自分がいても(結果は)同じだったかもしれない。ただ、(ベンチで)観ていなくちゃいけないのは辛かった。ジャッジを含めてACLだし、今までは逆もあった。だから一概には言えないです。(こういう判定が)起こり得るとは考えていましたが、退場は想定していなかった。あってもイエローかなと。でもそれもすべては結果論。負けた事実が残っているだけ」
 
 中村がもしピッチに立っていれば……。試合後に“もしも”の話をしても仕方がない。しかし、初のベスト4まであと一歩のところまで迫っていただけに、“たられば”を考えてしまうほど、悔しい敗戦だったのは間違いない。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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